定例社長会見2007年5月

2007年5月31日 菅谷社長5月定例会見

<視聴率動向>
4月クール第8週(5月27日現在)が経過した時点で、今年度の平均視聴率はGH8.2%(前年同期比0.4ポイント減)、PT7.8%(同0.3ポイント減)、全日3.7%(同0.2ポイント減)という状況です。やや低調に推移しています。06年度は在京キー局各社が軒並み平均視聴率を下げる中、テレビ東京だけがGH、PT、全日の3部門で前年実績を上回りましたが、今年度に入ってテレビ東京も前年同期比でマイナスに転じています。HUTの下落が依然続いていることが主な要因と見ていますが、従来通りの「個性・クオリティ・パワー」路線を堅持し再び上昇基調に戻すために鋭意、知恵を絞っています。
今年度の制作費予算は、428億5,000万円です。前年比では1.3%減ですが、06年度にはワールドカップサッカーという大型イベントがあったためで、その特殊要因を除いた平時の編成レベルで考えると3億円ほど積み増した形です。今年度も引き続き、減益覚悟で制作力を強化するために経営資源を集中的に投下します。
4月20日(金)から始まった金曜時代劇「よろずや平四郎 活人剣」は、初回の10.6%の後も好調を維持し、これまで5回放送の平均視聴率が9.4%です。昨年10月から2クール放送した「逃亡者おりん」の、平均8.4%(全21回放送)の水準を上回っています。7月クールは、この枠で森村誠一さん原作、村上弘明さん主演の「刺客請負人(しかくうけおいにん)」の放送を予定しています。「金曜の夜8時はテレビ東京で時代劇を」という視聴習慣を定着化させたいと考えています。
金曜の深夜に放送している「ドラマ24」ですが、7月13日からはシリーズの第8弾「BOYSエステ」を予定しています。今回は初めて女性コミックが原作で、女性を対象にしたドラマです。
また「デジタル7チャンネル」にちなんで、2007年7月7日の午後7時から「地上デジタル7チャンネル記念!テレビ東京ネットワーク七夕祭」と題して「出没!アド街ック天国 生放送3時間スペシャル」を放送します。テーマは「今、散策したい!ニッポン 懐かしい風景が残る街BEST77」です。「デジタル7チャンネル」のキャンペーンにつなげたい。

<スポーツ特番>
 5月21日(月)からクロアチアで開催された「世界卓球2007」は、日本勢の活躍が期待されていましたが、残念ながら男子ダブルス、女子シングルス、女子ダブルスとも3回戦で日本勢がすべて敗退してしまいました。視聴率はPT 3試合で平均 7.4%と去年のPT 6試合の平均 10.0%には及びませんでした。「世界卓球」については、来年2月に中国の広州で開かれる「世界卓球2008」、横浜で開催される「世界卓球2009」についてもテレビ東京の地上波独占放送が決まっていますので、々な工夫を重ねながら引き続き卓球を盛り上げて行きたいと思います。 
4月29日(日)夜8時から放送したフィギュアスケートの「キノシタグループカップ ジャパンオープン 2007」は日本チームが優勝し視聴率も11.2%と好調でした。去年5月14日放送の14.5%には及びませんでしたが、さいたまスーパーアリーナに16,334人が来場、夜のガラ公演「カーニバルオンアイス」には13,684人が来場するなど、事業イベントとしても成功を収めました。

今シーズンのプロ野球ですが、巨人戦で8試合、巨人戦以外のカードで5試合を放送します。これまで放送した巨人戦 4試合平均の視聴率は 9.2%と、去年の巨人戦 6回試合均 8.1%を上回っています。6月4日(月)20:00-20:54(最大延長21:16)には、パシフィコ横浜で開催される「WBC世界ミニマム級タイトルマッチ チャンピオン イーグル京和×挑戦者同級6位 八重樫東」を生放送する予定です。6月6日(水)からは全仏オープンテニスを放送します。

<営業関連> 
4月の営業状況はタイムが前年同月比2.5%増、スポットは横ばいでした。

<事業関連> 
IT事業としてはゴルフダイジェスト・オンラインとテレビ東京の共同出資による子会社を設立し、5月24日(木)発表しました。また、テレビ東京の得意分野である旅・グルメを活かしたECサイト「テレビ東京の台所 虎ノ門市場」を5月30日(水)オープンしました。
ポケットモンスターはことしアニメ放送も映画も10周年です。夏の映画「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」にも力を入れていて、前売りは去年の同じ時期と比べて2倍以上の売れ行きと好調です。映画館で来場者にゲームのキャラクターを配信する、新しい試みも合わせてご期待ください。

<BPO放送倫理検証委員会への期待>
放送倫理検証委員会というのは「やらせ」「捏造」だけでなく一般的な倫理について、扱う委員会でメンバーも立派なので、しっかりやっていただきたい。我々は自助努力で不正映像を放送しないということです。欧米にあるような独立委員会ができたので、存在すること自体に意味があると思っています。

<新体制について・社長在任期間を振り返って>
6年間のうち前半の3年間は一木前会長と二人で代表権を持ち、後半3年間は一人でやってきました。放送界もテレビ東京もいろいろな問題を抱えているので代表権を持った二人が対応し、森新副社長、三澤新副社長ともどもスクラムを組んでやっていきます。分担としては、わたし自身が民放連、関連会社などを担当し、あとの分野は島田新社長が担当します。

<放送網の拡大について>
 地上波のデジタルで電波の帯域に空きが出る可能性がある2011年に向け、放送網の拡大を検討したい。テレビ大阪の広域化を図り京都府や兵庫県をカバーするほか、東海道新幹線沿線の静岡や100万人都市を抱えるエリアも検討の対象にし、「都市型ネットワーク」の拡充を目指したい。テレビ東京の番組へのニーズは高いと認識しています。


以上