アウディ、ル・マン24時間で進化させたエンジン技術

2013年06月18日(火)17:42 pm

15年にわたってル・マン24時間へ参戦し、大きな成功を収めてきたアウディ。このル・マン参戦によって、多くの革新的技術が生み出されてきたという。以下、アウディ・ジャパンのプレスリリース。

今年90回目を迎えるル・マン24時間耐久レース開催まで残り数日となりました。過去15年にわたりル・マンに参戦し続けているアウディのプロトタイプマシンは、弛(たゆ)まぬエンジン開発によって進化し続けてきました。この15年間、幾度ものレギュレーション変更による規制が行われましたが、アウディのエンジニアは果敢に研究開発を続け、規制が行われる度に燃費性能を向上させてきました。
 
アウディスポーツのウルリッヒ・バレツキーがエンジン開発を担当してル・マン参戦を続けてきた今日までの日々は、2005年以前のガソリンエンジン時代と、2006年以降のディーゼルエンジン時代に分けられます。アウディは各々(おのおの)の時代に数多くの革新的技術を生み出してきました。
 
・ アウディは初めてのル・マンに400kW(544hp)の3.6Lガソリンエンジンで臨み、わずか1年後には出力を449kW(610hp)に向上させました。その後もエンジン開発を続け、2001年にはTFSIガソリン・ダイレクト・インジェクション・エンジンを初めてル・マンに投入しました。燃費が大幅に低減されるTFSIエンジンの採用は、レース展開に大きなメリットを生み出しました。ダイレクト・インジェクション・エンジンによって必要な給油量が減少したため、ピットストップの所要時間が最大1.3秒も短縮されたのです。アウディは、レースで効果が実証されたこの技術をすぐさま市販車に反映し、従来比で最大15%の燃費向上を実現したFSIおよびTFSIエンジン搭載車を市販しました。
 
・ アウディはそのわずか5年後にTDIエンジン搭載車でル・マンに参戦し、大きな成果を発揮しました。1989年に世界初のTDIエンジン搭載車を市販していたアウディは、2006年にTDIエンジン搭載車でル・マンに参戦し、ディーゼルエンジン車で初の優勝を獲得しました。Audi R10 TDIに搭載された5.5リッターV12エンジンは478kW(650hp)以上の出力を発揮しましたが、特筆すべきは、1,100Nm以上という強大なトルクでした。このエンジンは、アウディ初のアルミニウム製シリンダーブロックを採用したディーゼルエンジンでもありました。
 
・ アウディのディーゼルエンジン開発は、ル・マンへの参戦を抜きには語れません。本格的な開発に進む前に、まずレース用エンジンで試行錯誤が行われていました。2基の高圧燃料ポンプとピエゾ式インジェクターを組み合わせる基本システムは、アウディがル・マン参戦を通じてよりパワフルかつ低燃費となるように改良し続けてきました。その結果、現在の燃料ポンプならびにインジェクターの内圧は、従来に比べて飛躍的に高くされています。燃焼効率と出力を優れたバランスで発揮出来るようになったこの技術は、すぐに市販車用エンジン開発に応用されました。現在、インジェクターの内圧は、レース用エンジンで2,800bar、市販用エンジンでは2,000barまで高められています。
 
・ アウディはさらに市販用エンジンでは長く採用されていたVTG技術(ヴァリアブル・タービン・ジオメトリー)を、数年の準備期間を経て、2009年のV10 TDIエンジンで初めてレースシーンに登場させました。最大の課題は1,000度を超える高温との闘いでしたが、VTG技術は難題を見事にクリアしました。2010年のル・マンで、TDIエンジン搭載のAudi R15 TDIが、優勝を獲得しただけでなく、過去39年間破られることのなかった24時間での最長走行距離記録を、397ラップ5,410kmという驚異的な数字で更新したのです。
 
・ アウディモータースポーツのエンジニアたちが生み出した数々の技術と並んで、非常に革新的な変化と言えるのが、2011年に実施されたエンジンに関するレギュレーション変更です。これによって、ディーゼルエンジンの最大排気量が、これまでより1.8リッター少ない3.7リッターに制限されました。これを受けてアウディは、数々の革新的技術を盛り込んだV6 TDIエンジンを開発しました。バンク角120度のV型エンジンの内側を排気口としたのです。左右両バンクから供給される排気を受けるダブルフロー・シングルタービンがエンジンの中心に配置されました。このタービンは、圧縮空気のアウトプットもダブルフローとされました。
 
・ アウディのエンジニアたちは、排気量変更のほかにも、数多くのレギュレーション変更に悩まされ、その度に素晴らしい解決方法を生み出してきました。2006年にエアリストリクター径が34%縮小されました。このほかにもブースト圧は4.7%低下、排気量は33%縮小となりました。その結果、最新型エンジンの出力は、以前の478kW(650hp)から360kW(490hp)と24%も低く抑えられました。こうした数多くの制限を受け入れたにも関わらず、アウディのエンジニアたちが出力性能を向上させ続けてきたことは特筆に値します。例えば1リッターあたりの出力は、2006年に87kW(118hp)だったものが、2011年には107kW(146hp)まで、約24%向上しています。さらに1気筒あたりの出力に注目すれば、同じ年で比べると40kW(54hp)だったものが66kW(90hp)と65%向上しています。さらに燃費性能も向上している点も注目に値します。レース中、1ラップあたりの燃料消費量が1リッターあたりの出力が向上しているにも関わらず、初参戦時と現在では20%以上も向上しています。

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