3日に全日程が終了した四国アイランドリーグplus(IL)の前期で、徳島インディゴソックスは36試合を戦い9勝23敗4分けで、前年後期に続く2期連続の最下位に沈んだ。勝率が2割台に落ち込んだのは2009年前期以来18期ぶり。投打で力不足を露呈し敗戦を重ねた。攻守の歯車はかみ合わず、最後まで上位争いには加われなかった。

高知戦で本塁打を放つ岸=5月16日、JAバンク徳島スタジアム

 

 

 

 今季から指揮を執る石井監督が「前期を象徴する内容だった」と嘆いたのが5月25日の香川戦。打線が9得点したものの、投手陣が踏ん張れず逆転負け。先頭打者を出しては崩れる典型的な負けパターンだった。

 打っても守れず、守っても打てずの試合を繰り返した。チーム防御率はリーグワーストの4・40。先発投手に勝ち星が付いたのは5試合だけで、試合をつくれなかった。小原がリーグ最多63奪三振をマークしたが勝利数は3。鎌田や竹内らを含め、投手陣は物足りなかった。

 チーム打率はリーグ4位の2割3分1厘。打率10傑では、2割7分2厘の瀬口が10位にランクインしたのが最高だった。中軸のジェフンが3割台に乗せたが故障で規定打席に到達せず、5月に社会人野球のJX―ENEOSから補強した谷田も得点力不足解消の起爆剤にならなかった。

 迫力に欠ける打線をカバーする苦肉の策として、機動力は機能した。盗塁数75はリーグ1位。チームトップ19盗塁の岸は得点数でもチーム最多の22を挙げた。しぶとい打撃で出塁し、積極的な走塁でホームに生還するパターンで数少ない勝利につなげた。

 リーグ2連覇と2年連続日本一へ後がなくなった。後期も引き続き苦しい戦いが予想される。リーグワースト53失策の守りを含め、改善すべき課題は山積している。7月28日に開幕する後期で巻き返すには、攻守全てのレベルアップが不可欠だ。