なぜ…田中実さん自殺か 関係者「理由思い当たらない」

[ 2011年4月27日 06:00 ]

田中実さんが自殺した都内マンション前で報道陣に説明する所属事務所関係者

 1990年放送のNHK連続テレビ小説「凛々と」に主演した俳優の田中実(たなか・みのる、本名同じ)さん(44)が東京都大田区の自宅で25日に首をつって死亡した。警視庁池上署は自殺の可能性が高いとみている。26日午後6時半から会見した所属事務所の関係者によると、亡くなる前日にも普段通りマネジャーと連絡を取りあっており「理由は思い当たらない」という。

 所属事務所によると、田中さんは25日、都内でテレビ朝日の2時間ドラマ「法医学教室の事件ファイル」(放送日未定)の撮影があった。午前11時30分までに現場入りのスケジュール。田中さんはいつもは30分以上前に現場入りしていたといい、11時を過ぎても現れないことを不審に思った男性マネジャーが電話連絡。つながらなかったため、自宅マンション近くにある実家に連絡。マネジャーも自宅に急行し、マンション入り口で田中さんの母親と合流。午後1時すぎ、4階の部屋に入ったところ、窓の落下防止柵に結んだマフラーで首をつっていた。田中さんは座った状態だったという。

 母親が119番に通報。マネジャーは人工呼吸を繰り返した。仕事先から駆けつけた妻と母親に付き添われ、救急車で近くの病院に搬送されたが、午後4時20分に死亡が確認された。遺書はなかったが、警視庁池上署によると事件性はなく自殺とみられる。

 都内の事務所で会見した岩澤和俊、鈴木誠司専務取締役は「理由が思い当たらない」と困惑の表情。24日にマネジャーが電話で翌日の現場入りの時間を確認したときも、「普段と変わらなかった」という。25日朝も、先に外出する妻に「僕も仕事に出るから」と話していたという。

 田中さんは93年に結婚しており、高校生の長男と中学生の長女の父親。近所の住民は「ドラマ見てますよ、と声を掛けると、恥ずかしそうに会釈してくれていたのに…」と驚いていた。約2週間前に妻と2人で最寄り駅近くの飲食店に立ち寄る姿も目撃されている。通夜、葬儀・告別式は、遺族の強い意向で密葬で営まれる。

 ◆田中 実(たなか・みのる)1966年(昭41)10月27日、東京都大田区出身。都立雪谷高校卒業後、無名塾に入塾。85年「どん底」で初舞台。ドラマ「ウルトラマンメビウス」「病院へ行こう!」「医龍2」「風林火山」映画「月光の夏」などに出演した。

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