ソフトB秋山前監督夫人・千晶さん死去 11年オフから闘病 55歳

[ 2014年12月10日 07:00 ]

09年、グアム旅行に出発する(左から)真凜さんと千晶夫人、秋山監督

 ソフトバンク・秋山幸二前監督(52)の千晶(ちあき)夫人が死去したことが9日、複数の関係者の話で分かった。55歳だった。死因は明らかにされておらず、近く家族や近親者のみで密葬が執り行われる。

 千晶夫人はソフトバンクが日本一になった11年のオフに病に倒れた。秋山監督は13年に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパン監督として候補に挙がったが、辞退したのは夫人の看病が理由で、全国の病院へ付き添って回った。日本一に輝きながら今季限りで辞任した背景にも、夫人の病状が大きく影響していたとみられる。 

 千晶夫人の病状は今月に入ると悪化し、予断を許さない状況が続いていた。秋山氏は、当初参加予定だった米ハワイの優勝旅行を辞退。11日に予定されていた熊本県民栄誉賞の授賞式も関係者を通じて欠席の旨を連絡していた。この日、福岡市内にある秋山氏の自宅には関係者数人が出入りするだけで、秋山氏本人は姿を現さなかった。

 秋山氏と千晶夫人は94年11月に結婚し、長女の真凜さん(18)をもうけたが、01年には生後間もない長男・晃輝ちゃんを亡くす不幸があった。それでも千晶さんはプロゴルファーを目指した真凜さんの遠征では、自らハンドルを握り、全国各地を飛び回る元気なお母さんだった。ただ、真凜さんは母親の看病もあり、プロゴルファーの夢を断念。新たな夢へ向かって大学進学を決めた時には病に伏す妻の代わりに秋山氏は学校の説明会にも参加したという。

 家族が団結して病と闘ったが、話すことも困難だったという千晶さんの回復の願いはかなわなかった。長男に続き、最愛の妻を亡くした秋山氏の悲しみは計り知れない。

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