米駆逐艦衝突

ジョセフ・アーコイン第7艦隊司令官を解任 事故直前に操舵不能に? 米CNN報道

会見に臨む米海軍第7艦隊司令官ジョセフ・アーコイン中将 後ろは米海軍イージス駆逐艦フィッツジェラルド=18日午後、神奈川県横須賀市・在日米海軍横須賀基地(納冨康撮影)
会見に臨む米海軍第7艦隊司令官ジョセフ・アーコイン中将 後ろは米海軍イージス駆逐艦フィッツジェラルド=18日午後、神奈川県横須賀市・在日米海軍横須賀基地(納冨康撮影)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米海軍太平洋艦隊のスコット・スウィフト司令官は23日、横須賀基地(神奈川県横須賀市)を拠点とする第7艦隊所属のイージス駆逐艦の衝突事故が相次いだことを受け、指揮統率力を問題視されていた第7艦隊のジョセフ・アーコイン司令官を解任した。太平洋艦隊が発表した。

 複数の米政府当局者が米メディアに語ったところでは、アーコイン氏は本来、数週間以内に退役の予定だった。一連の事態をうけ解任されたが、同氏に具体的に過失があったとは確認されていない。

 一方、CNNテレビは22日、シンガポール東方沖の南シナ海で起きたイージス駆逐艦「ジョン・S・マケイン」とタンカーの衝突事故について、マケインが事故直前に艦を制御できなくなるなど操舵(そうだ)システムの異常が衝突につながった可能性があると伝えた。

 米海軍当局者がCNNに語ったところでは、マケインは操舵機能が衝突の直前に失われ、事故後に回復した形跡がある。マケインには予備の操艦システムが搭載されているが、同システムは使われていなかった。

 米海軍のリチャードソン作戦部長は21日、記者団に対し、イージス艦がサイバー攻撃を受けたことを示す証拠は現段階で見当たらないと説明した上で「調査では全ての可能性について探る」と述べた。

 ホワイトハウスは22日、事故に関し声明を発表し、犠牲者の家族や友人に「哀悼の意」を表明した。

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