南シナ海問題

グーグルマップから中国名「中沙諸島」「三沙市」消える フィリピンで削除運動

 【シンガポール=吉村英輝】米グーグルが、提供する地図サービスの「グーグルマップ」英語版から、フィリピンと中国が南シナ海で領有権を争うスカボロー礁の場所について、中国名の「中沙諸島」の一部とする表記を削除したことが分かった。14日付のフィリピン・スター紙(電子版)が報じた。

 グーグルマップは従来、スカボロー礁を赤線で囲んで「中沙諸島」と表記し、住所も中国が2012年に一方的に設立した「海南省三沙市」としていた。

 フィリピンのネット利用者らは、国際的に浸透したスカボロー礁の表記を支持する一方、中国名の削除を求め抗議活動を展開。グーグル側は12日、同紙に「問題を認識し修正作業をしている」とコメントしていた。

 スカボロー礁はフィリピンのルソン島西方沖約220キロにあり、同国の排他的経済水域(EEZ)にある。中国の海南島からは約650キロ離れているが、中国は領有権を主張。12年には、両国の公船がにらみ合いになり、フィリピンが撤退した。それ以降、中国船が周辺に居座る状態が続き、フィリピンの漁船などが中国側から放水を受けるといった被害が続いている。

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