幻のひばり映画を発見 神戸、スター前夜の姿
更新 sty1606140002 歌手の故美空ひばりさんが10代前半で出演した映画のフィルムが神戸市の資料館で見つかった。出演が知られていなかった“幻の作品”で、専門家は「スターに駆け上がる前夜の姿を知ることができ貴重」と注目。長男で、ひばりプロダクションの加藤和也社長は「数年前に業績を洗い出したが、情報はなかった」と驚いている。
映画は1950年6月公開の「南海の情火」(高木孝一監督)。撮影時期は不明だが、ひばりさんが12歳のころとみられる。
ひばりさんは、主人公の男女がのど自慢大会を見物する約40秒のシーンに登場。ひばりさん演じる大会の出場者は、同年に発売された「涙の紅バラ」を歌う。スタンドマイクの前に立ち、バンドの演奏に合わせて美声を披露している。映画には「昭和の爆笑王」とも称され、公開と同じ年に事故死した三遊亭歌笑さんも登場する。
フィルムが見つかったのは神戸市長田区の神戸映画資料館。長年フィルムの収集を続けている館長の安井喜雄さん(67)が、約40年前に購入した。当時は内容を確認しておらず、ひばりさんの出演は明らかになっていなかった。文化庁の助成金を得て、約1年半前から保管していたフィルムを精査。今年1月に出演が確認された。