台風5号迷走の末…歴代4位「長寿台風」に 速度遅く奄美で「50年に1度」の大雨

 台風5号は発生から2週間以上たっており、6日午前9時に歴代4位の「長寿台風」になった。気象庁によると台風発生から消滅までの平均期間は5・3日。台風5号は太平洋上を長く迷走し、速度が遅く、5日に奄美地方で「50年に1度」(同庁)の大雨を降らせた。9日夜まで勢力を保った場合、歴代1位になる可能性もある。

 気象庁によると、台風5号は7月21日、小笠原近海で発生。太平洋高気圧が平年より北寄りで台風を流す気流が弱かった上、同時発生した台風6号と引き合う力が働いて動きが複雑化した。太平洋上を行ったり来たりし、1日にようやく北へ進路を変えた。

 通過した海域は海面水温が平年より1〜2度高く、大気中の水蒸気量が多かったため、一時は中心気圧930ヘクトパスカル、最大瞬間風速70メートルまで勢力を強めた。

 5日前後に「ゆっくりした速度」で通過した奄美地方では、積算雨量が増え、48時間600ミリ以上の継続した大雨となり、一部で観測史上1位を更新した。

 6日午前9時に発生16日に入り、統計のある昭和26年以降で史上4位となった。最長は昭和61年台風14号の19・25日(うち1・5日は熱帯低気圧)となる。

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