温故地震

300年前の直下型の再来か…長野県北部地震(2014年)  都司嘉宣

 2014(平成26)年11月22日、長野県北部を震源とするマグニチュード(M)6・7の直下型地震「長野県北部地震」が起きた。

 白馬村で37戸、小谷(おたり)村で6戸など計50戸の家屋が全壊したほか91戸が半壊、1426戸が破損した。人的被害は重軽傷46人だった。

 震度4以上だった地点の分布を地図上に示すと、震度6弱以上は白馬、小谷両村と東方の山間部の直径約20キロ圏内に収まる。震度5弱、5強を含めても約40キロ圏内にとどまっていた。

 太線で示したのは、本州の東側を形成する北米プレート(岩板)と、西側のユーラシアプレートの境界となっている糸魚川-静岡構造線(糸静線)だ。日本海側の新潟県糸魚川市から太平洋側の静岡市まで続き、多数連なる活断層が糸静線断層帯を構成している。

 長野県北部地震の震源は白馬村中心街のすぐ東で、糸静線を構成する活断層の神城(かみしろ)断層が活動した。断層線から東側に沈む面が滑ったとみられ、揺れが強かったのは活動面の直上に当たる断層の東側ばかりだ。

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