死刑制度廃止論

闇サイト殺人遺族の磯谷富美子さん基調講演詳報 「被害者が1人でも、私にとってはかけがえのない大切な娘」 残忍な殺害状況も子細に…

 警察署では顔の部分だけしか見ていませんでしたが、司法解剖を終え、もの言わぬ姿で帰宅した娘の両手首に内出血のような青あざが残っていました。娘の唯一の自慢は、父親譲りのきれいな手でした。その手が無残に変色し腫れているのを見ると、娘の恐怖が伝わってくるようで、何とも言えない悲しみに襲われたのを覚えています。後に刑事さんに、「手錠をかけられているだけであのように変色するものなのですか」と尋ねました。すると「抵抗が激しいとなります」とのことでした。どれほど怖かったことでしょうか、どれほど苦しかったことでしょうか、どれほど痛かったことでしょうか…。そして、どれほど生きたかったことでしょうか。顔の青あざを少しでも隠してあげたいと思い、姉と2人で化粧をしてあげましたが、その娘は白無垢をまとった花嫁のようでした。私には解剖の痕を隠すように頭を覆った綿のようなものが綿帽子に見え、白装束が白無垢に見えました。

生前、「一番の親不孝は親より先に死ぬこと」と…

 娘は本当にむごい殺され方をしました。神田に腕で首を絞められた後、堀はマスクのようにしたガムテープを口と鼻にはり、その上から手で押さえ、鼻をつまみ、息ができないようにしました。娘を早く殺してお金を手に入れたい堀は金槌を取り出し、娘の頭を3発殴打しました。その後にロープを首にまき、片方を川岸が、もう片方を堀がもって引っ張り合いました。うまく絞められなかったので、堀はその後、1人で首をしめました。

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