大人気の映画「おしん」が上映中!濱田ここね来港

2013/12/12

映画おしん濱田ここね映画「おしん」が今月、香港でも上映中。その封切りイベントのため、主役のおしんを演じた子役の濱田ここねちゃんが11月22〜24日に来港した。そんなここねちゃんにお話を伺った。前日も遅くまで奔走していたというが、インタビュー中は始終かわいい笑顔で応じてくれた。おしんの衣装を身につけ、わずか9歳とは思えない、大人顔負けのプロフェッショナルぶりだった。

濱田ここねおしんチックなロケ生活

 7人の家族と暮らしている少女のおしんは、家の貧しさと口減らしのために奉公に出されることになった。初めて家族の元を離れるおしん。そして、奉公先では早朝から夜遅くまで、ろくな食事も与えられず、働き詰めの毎日を強いられた。早くも大人の世界に入ることを余儀なくされたのだった――1983年にNHKで放映されて、国内外で人気となったテレビ番組「おしん」。その物語はご存知の方も多いのでは?

 おしんを演じたここねちゃんの生活は、ちょっぴりおしんの姿と重なるものがある。映画のロケのために暮らしている宮崎県から山形県へ。両親とは52日間、離れて生活した。「最初は楽しい現場から入りたかったのに、いきなり厳しい世界だった。れてこないとわからないことだらけ」と告白する。

 「監督は結構怒るんですよね。私が出来ないこととか『お前はなんで出来ないんだ』って。『やる気ないんだろう。やる気ないんだったら出て行け』とも言われた。でも、私が『監督はいつも怒ってたんですよ』って言うと、監督は『え、おれ一回も怒ったことないよ』と言うんですよ。いや、怒ってたでしょ。20回くらいは怒られた気がする(笑)。本当に厳しかった。でも、勇気付けられるところもあり、それで頑張れたりもしました」と笑顔で話してくれた。

上戸彩さんとの信頼関係で名場面が誕生

 厳しい撮影現場で多くの人に支えてもらったという。特に、おしんの母親おふじを演じた上戸彩さんは特別な存在。今回の映画化では主人公の少女期にフォーカスするため、おしんと母親との絆を描くシーンを多めに取り入れている。上戸さんとの深い信頼関係がカギとなっているシーンもある。ここねちゃんは作中の有名な極寒の最上川での入水シーンや奉公先へ向かう前の送別シーンなども見事に演じきり、多くの観衆の涙を誘った。

 ここねちゃんに上戸さんの素顔をたずねると、「すっごく優しい。湯たんぽとか貸してくれて、もう一人のお母さんみたい」。上戸さんは、以前も「ここねとは一生の親友でいたいな」と語っている。撮影が終わって半年以上経つが、2人は連絡を取り合っているという。

濱田ここねインタビューおしんとの共通点は…

 ここねちゃんは、3歳のときに子役タレントとしてのキャリアをスタート。ローカルタレントの父親を持つと聞き、彼女の身体にも役者の血が流れるではないかと思った。「どうして子役を始めたの?」と聞くと「やりたいと思って、自分から言い出した」。子役の仕事のあとは、「お父さんやお母さんが『頑張ったね』と言ってくれて。バービーのお人形を買ってくれたりするので嬉しい」と話す。「オモシロソウ」というごく単純な気持ちで子役を始めることもあるかもしれないが、大人の世界で生きていく強さを持っていないと続けていくのは難しそうだ。ここねちゃんは、今回のロケでその強さを持つことが証明されたのでは?

 が、実際のここねちゃんはどんな人だろう。インタビュー中はいつも笑顔で、ときどき変な顔をして会場の人を笑わせた。取り繕った面だけを見せるのではなく、人を喜ばせるためになんでもできるのだ。学校でも友達が面白い人を挙げるとき「ここちゃん(彼女の愛称)でしょ」と言われるらしい。このおてんばなキャラクターはここねちゃんの大きな武器になる気がする。

 考え方も実にユニーク。やりたいことといえば、Youtubeで見た病気に苦しむ子供達のために薬の研究・開発や、モデルさんのメイクなどなど…、本業(?)の女優業だけにに留まらない。

 そんなここねちゃんは、インタビュー中、傍で見守る母親に「勉強もしてくださいね」と言われたとき、なんと聞こえないふりをしたのだ。天真爛漫な“おちゃめ”が実に愛らしい。

 自分とおしんとの共通点を「人前で泣かないところ。人前では明るい」と挙げたここねちゃん。おしんと同じように逆境にも負けずに生き抜く力を持っているのだろう。そんなここねちゃんが演じるおしんに会いに、ぜひ、みなさんも劇場に足を運んでみて!映画を見て、ホロリとこぼれる涙が疲れた心を癒してくれることだろう。

[プロフィール]
濱田ここね(はまだ ここね)
2004年3月31日生まれ、宮崎県宮崎市出身。愛称は「ここちゃん」など。3歳のときから地元のCMに出演。
2013年公開の映画「おしん」の全国オーディションで約2500人の中から主人公の谷村しん役に選ばれ、わずか9歳で泉ピン子、上戸彩などの名俳優との共演を果たした。そして、同作で第37回山路ふみ子映画賞新人女優賞受賞。今後の成長を期待したい。

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