独ダイムラー、米テスラ株を売却 資本提携解消
【フランクフルト=加藤貴行】独ダイムラーは21日、米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズとの資本提携を解消したと発表した。保有するテスラ株約4%を約7.8億ドル(約830億円)で売却した。テスラ製のリチウムイオン電池の採用など現行の業務提携は続けるが、ダイムラーは電池の内製化を進めており、今後はテスラと距離を置くことになりそうだ。
ダイムラーは2009年5月にテスラに約9%出資した。車載用電池の開発ノウハウなどを吸収する一方で、ベンチャー企業のテスラの事業の立ち上げを支援。その後、出資比率は低下したが、小型車「スマート」のEVの初期モデルや、今年から独国内で生産を始めた小型車「メルセデス・ベンツBクラス」のEVにテスラ製電池を使ってきた。
ダイムラーは今年に入りリチウムイオン電池関連の合弁会社の全株式を取得し、基幹部品のセルから電池システムまで一貫生産できる体制を築いた。同社はドイツメーカーの中ではハイブリッド車やEVの発売で先行しており、17年までにプラグインハイブリッド車を新たに10車種投入する方針。電池製造段階から自前で手がけ、開発の効率化とスピード向上を狙う。