米アップル、独SAPと提携 法人向けクラウドサービス開発
【フロリダ州ケープカナベラル=兼松雄一郎】米アップルは、独SAPと法人営業で提携すると発表した。コンサルティングに強いSAPがタブレット(多機能携帯端末)「iPad」などアップルの携帯端末向けに特化した法人向けクラウドサービスを開発する。SAPの顧客網を生かし販路を開拓することで失速するスマートフォン(スマホ)「iPhone」や、低迷が長期化するiPadのてこ入れを図る。
アップルはこれまで法人向けの営業網が手薄で、競合の米マイクロソフトのように大企業向けに強いサービスを持たないことが弱点とされてきた。だが、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は創業者スティーブ・ジョブズ氏が力を入れていなかった法人向け市場の開拓を進めている。一昨年から米IBM、米シスコシステムズと相次ぎ提携し、大企業向けの営業網とサービスを外から補っている。
SAPは「デザイン思考」と呼ばれる新規事業開発によく使われるコンサルティング手法で知られ、幅広い顧客網を持つ。アップルはSAPと組むことで社外の開発者に自社端末向けの法人用ソフト開発を促し、端末の魅力を高められる利点がある。
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