与党圧勝 ねじれ解消 参院選、自民65大幅増
民主17、過去最低に 維・み伸び悩み アベノミクスに信任
第23回参院選は21日投票、即日開票された。自民党は改選34議席を大きく上回って現行制度で過去最多の65議席を得る圧勝で、公明党とあわせた与党で非改選を含めて参院の過半数(122議席)を確保した。衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」は解消される。民主党は改選44の半数にも届かず、過去最低の17議席にとどまった。日本維新の会、みんなの党は伸び悩んだ。
自民は6年ぶりに参院第1党に復帰した。与党は過半数確保に必要な63を超える76議席を獲得。非改選の59議席とあわせ135議席となり、安定した国会運営が可能になる「安定多数」(129議席)を得た。
第2次安倍内閣の発足後、初の大型国政選挙となる今回の参院選は選挙区73、比例代表48の121議席を争った。改選議員の任期は2019年までの6年間。安倍晋三首相は経済政策「アベノミクス」に信任を得た形で、政権基盤を固めて成長戦略などを推し進める。
選挙区では全体の勝敗を左右する31の1人区で自民が強さをみせた。岩手、沖縄でそれぞれ現職に競り負けたものの、29選挙区で勝利した。民主は候補を擁立した19の1人区で全敗した。
改選定数2~5の複数区でも自民は堅調だった。3人区の千葉、5人区の東京で2人が当選。最近は民主と議席を分け合ってきた2人区でもすべて1議席を確保した。民主は2人区の残り1議席を他の野党と競り合い、宮城、京都、兵庫で敗れた。3人区の埼玉、4人区の大阪、5人区の東京でも議席を失った。比例代表でも自民は18議席を得て、12年ぶりに比例第1党に返り咲いた。
公明は選挙区に擁立した4人がすべて当選、比例代表とあわせて改選10議席を超えた。与党の議席は全常任委員会で委員長を占めたうえで野党と同数以上の委員を出せる「安定多数」に達した。安定多数は議席獲得上の目安の数字で、実際には野党も委員長を出す。
民主は選挙区、比例をあわせて01年の26議席を下回り、1998年の結党以来最低となった。維新は大阪、兵庫、みんなは宮城、埼玉、神奈川、愛知で当選したが、ともに合計8議席で目標の10議席には届かなかった。共産党は東京、京都、大阪で当選。選挙区での議席獲得は12年ぶりで、比例とあわせて改選3議席を8議席に増やした。
社民党は比例で1議席を得たが過去最少。生活の党、みどりの風は議席を得られなかった。
投票は全国5万カ所弱の投票所で一部の地域を除いて午前7時から午後8時まで受け付けた。