前頭栃ノ心(21=春日野)が「マル秘」に増量していた。グルジアでの約1カ月の軍事訓練を終え、2日は愛知・春日井市の部屋で再始動。前頭栃煌山や朝赤龍らと20番の申し合いを行うなど、精力的に汗を流した。「まわし、1カ月ぶり。久しぶりで、楽しくて」。息は早くあがったが、満足の笑みは絶えなかった。

 ベールに包まれた「軍事訓練」の響き…。厳しい訓練での、減量が心配されていた。ところが体重154キロの栃ノ心は「7キロ増えた」。90センチ近い自慢の太もももたくましくなっていた。訓練内容の問いに「軍事機密だから」と詳細は明かさなかったが、ペーパーテストやジムでのトレーニングが主で、スクワットや「昼寝もしてた」という。

 18歳になってから、何度も訓練参加の要請を受けていた。ロシアとの緊迫関係が続く中で「もう断れなかった」と参加。本来は1年半の訓練も「もう行かなくていいと思う」という。期間中は前頭黒海、幕下臥牙丸と一緒で「すごくカレーと納豆が食べたかった」。トルコ経由で再来日した1日は、成田空港に着いてすぐ、カツカレーを平らげた。この日のけいこ後も「ちゃんこ楽しみ。ブタチリも食べたいね」と、うれしそうだった。

 先場所9勝を挙げ、今場所は西前頭5枚目まで番付を上げた。思わぬハンディを背負ったように映るが「けいこしかないね。よし!

 ガンバロー!」。今の栃ノ心は、相撲ができる喜びを十分に味わっている。