<ナビスコ杯:東京2-0川崎F>◇3日◇決勝◇東京・国立競技場

 Jリーグの鬼武健二チェアマン(70)が、表彰式での川崎F選手の態度に激怒した。川崎Fは優勝した東京の前にメーンスタンドで準優勝の表彰を受けたが、数人の選手が、かけられたメダルをすぐ外し、表彰台にもたれかかるなどした。鬼武チェアマンは「負けたのは己の責任。許せない態度だ。賞金(2位=5000万円)を返してほしいぐらいだ」と怒りをぶちまけた。

 日本協会の川淵名誉会長も「あれではバッド・ルーザー(悪い敗者)、いやワースト・ルーザー(最低の敗者)だ」と激しい口調で言った。これまでもナビスコ杯や天皇杯での敗者の態度はJリーグや日本協会で問題になったことがある。2年前も、川崎Fは準優勝メダルを外していた。Jリーグや日本協会の怒りが、この日の川崎F選手の態度で一気に爆発した形だ。

 ピッチに降りる途中にメダルを外したMF中村は「確かに、最後まで外すべきではなかった」と反省した。鬼武チェアマンに注意された川崎Fの武田社長も「不快な思いをさせて申し訳ない。今後は、こういうことがないように指導したい」と神妙な面持ちで話した。

 鬼武チェアマンは「今後のことは、いろいろと考える。実行委員会でも話題になるかもしれない」と、処分も含めて検討することを口にした。W杯や欧州CLなど、どんな大会にもある「敗者の表彰」。日本、海外問わず、メダルを外す敗者の姿が日常化しているだけに、根本から見直さない限りは同じ問題が繰り返されるだろう。