07年後期のNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」で、渡瀬恒彦さん演じる落語家の弟子役で出演していた上方落語家、桂吉弥(46)は16日、所属事務所を通じ「弟子として誇れるような仕事をしていきたい」とコメントした。

 吉弥は番組の2年前に実際の師匠、桂吉朝さんを亡くしており「『ちりとてりん』で渡瀬さんの草若師匠とご一緒できたことは、落語家・吉弥にとってかけがえない時間でした」と言い「ほんとの師匠のように、怒り、おだて、『落語は草原にまかせた』と見守ってくれました」と感謝した。

 番組で、渡瀬さんは、ヒロイン貫地谷しほりが入門する徒然亭一門を率いる徒然亭草若を演じ、吉弥はその一番弟子、草原役だった。

 吉弥は収録の中で、渡瀬さんと、師匠の吉朝さんを重ねていたといい「ドラマの中で、師匠と別れる病室のシーンでは、吉朝へ伝えられなかったことを言えたような気がしたものです。『また次の現場で会おう』との約束を守れずに悲しいです。2人目の師匠がいなくなってしまいました」と、約束を果たせなかった無念を表現した。