俳優の渡瀬恒彦さんの訃報に、共演経験のある俳優ら芸能界から悲しみの声があがっている。

 渡瀬さん主演のドラマ「タクシードライバーの推理日誌」シリーズなどで共演したタレントの風見しんごは、16日放送のフジテレビ系「ノンストップ!」にコメントを寄せ、「まだ信じていません。僕にとっても大きな大きな方。『くじけるなよ』って何度も肩をぐっと握ってくださった。暖かくなったらまたご一緒させていただいて撮影に入りたい」と悲しみをにじませた。

 俳優の原田龍二はブログで「京都の撮影所ではよくお会いし、ダンディーと鋭さが同居している魅力的な大先輩として拝見していました。共演した際も、暖かく厳しい目で僕の芝居を受け止めてくださり、うれしかったことを思い出します」と振り返り、「昔から見ていた偉大な先輩…大変ご苦労さまでした。渡瀬さん、ゆっくりお休み下さい。ご冥福を心よりお祈り致します」と悼んだ。

 女優で作家の中江有里はツイッターで「映画『奇跡の山 さよなら名犬平治』でご一緒した際、ご自身を鍋将軍と称してすき焼きをふるまってくださったことが思い出深いです。優しくてかっこいい『お父さん』でした」としのんだ。

 女優の細川直美はブログで「現場の雰囲気をキリッと引き締めて的確に指示してくださる。そんな方でした。大先輩がお亡くなりになられる事が多く本当に寂しく感じるこの頃です。心からのご冥福をお祈り申し上げます」と追悼した。

 渡瀬さんは2015年、胆のうに腫瘍が見つかった後も、治療を受けながら精力的に仕事を続けていたが、2月中ごろ気胸を発症して入院加療。3月に入り敗血症を併発し14日午後、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。72歳だった。