V6岡田准一(35)が、来年公開の映画「追憶」に主演することが17日、分かった。この日、クランクインした。14年11月に死去した俳優高倉健さんの作品を多数手掛けてきた降旗康男監督と、初めてタッグを組む。降旗監督好みで、生前高倉さんが演じた数々の役とも重なる、心に傷を抱えた寡黙な役柄を務める。

 岡田が演じるのは、富山県警捜査1課の刑事、四方篤(しかた・あつし)。富山・氷見漁港で、刺殺体となった幼なじみの川端悟(柄本佑)と再会する。捜査を進めるにつれ、1人の幼なじみ、田所啓太(小栗旬)が容疑者として浮かび上がる。映画化もされたドラマ「SP」で見せたような激しいアクションはなく、日本海をバックにしたもの静かなシーンや、取調室で容疑者を厳しく問い詰めるシーンなどがあるという。

 遺作「あなたへ」を含む映画19本で高倉さんとコンビを組んだ降旗監督は、岡田の起用理由について「人間に内在する“陰”を演じきれる日本映画界では数少ない主演俳優」と話す。監督とともに「夜叉」「鉄道員」など14作を手掛け、今作でも撮影を担当するカメラマン木村大作氏も「彼の横顔の伏し目に潜む“陰”を撮りたい。北陸の厳しく寂しい景色の中で、黙って立たせていても絵になる」と話している。

 「降旗×木村」というベテランコンビとの初顔合わせに、岡田は「映画界の至宝の方々とお仕事ができることを光栄に思います」と恐縮。「おふたりの背中を追いかけて、エネルギーに影響を受けながら、映画を愛する方々の愛をしっかり見てきます」と謙虚に意気込みを語っている。