7場所ぶりの「鷲」対決が、思わぬ争いを生んだ。東前頭12枚目玉鷲(31=片男波)が、同16枚目荒鷲(29=峰崎)を寄り切りで退けて4勝目。「本当はダメだけど、今日は脇が開いたのが良かった」と笑うと、「あっちはニセ鷲。こっちは本当の鷲」と言い放った。

 “遺恨”は取組直後の風呂場から始まっていた。連敗を止めて意気揚々の玉鷲は、入浴しながら「ニセモノだ」と発言。3敗目を喫して隣の風呂場で入浴中だった荒鷲の耳にも届いた。これには、温厚な29歳も黙ってはいられない。入門は玉鷲が04年初場所、荒鷲が02年九州場所。荒鷲は「僕が1年早く入門した。荒鷲から玉鷲の『鷲』を取ったんです」と主張した。

 それを知ってか知らずか、それとも「敗者に弁なし」とでも言いたいのか。ご機嫌の玉鷲は、報道陣から「『鷲』筆頭ですね」と持ち上げられると「そうです。よっしゃ~、ワッショイ!」とおどけてみせた。だが最後に「『鷲』の対決は終わらない」と一言。かっこよく締めたと思われた瞬間「これ、なんか名言みたい」と、玉鷲ワールド全開で意気揚々と引き揚げていった。