三沢さんの姿が、テレビCMで生き続けることになった。13日に試合中の事故で急死した、ノア社長でプロレスラーの三沢光晴さん(享年46)をCMに起用している不動産仲介業「リーヴライフ

 トゥエンティーワン」(本社・横浜)は20日までに、三沢さんの出演CMを今後も継続して放送することを決めた。同社の佐藤和弘社長(47)は、遺族の了解などを得られれば、CGなどを使って三沢さんを今後もCMに登場させたい考えも明かした。

 元気でちゃめっ気たっぷりの三沢さんが、今後もテレビで見ることができる。もともと大のプロレスファンという佐藤社長は、横浜市内で取材に応じ、三沢さんの急死に「まだ信じられない。自分自身、実感がわかないでいる」と、心境を打ち明けた。三沢さんの死後は、CMを公開している同社の公式サイトにアクセスが集中。14日にはページが表示できないなど、ファンからの反響も大きかった。それもあって、「ほとんど僕の独断で」放送継続を決めた。

 スポンサーを務めるテレビ東京系のバラエティー番組「ゴッドタン」のなかで三沢さん出演のCMを流してきた。急死後の17日深夜の放送でもあえてCMを流し、映像の下に「ご冥福をお祈り申し上げます」などと、メッセージを添えた。佐藤社長は「1人のファンとしても三沢さんをしのびたい。実感がわくまで続けたい」と話し、今後も期限を設けずに放送する考えだ。

 同社は05年4月から、日本テレビ系で放送されていた深夜のノア中継でCMを流し始めた。ノア所属選手のCM起用を希望していた佐藤社長が、親交のあったザ・グレート・カブキさんから三沢さんを紹介された。同年齢で生まれた月、血液型も同じということもあり、すぐに意気投合した。契約額は「失礼に当たるぐらい格安だった」(同社長)が、三沢さんは快諾してくれたという。

 契約5年目の今年、ノア中継が3月いっぱいで打ち切られた。それでも、別番組の枠で三沢さん出演のCM放送は継続された。佐藤社長によると、新バージョンの撮影も計画中だった。若手選手たちが「今日の三沢さん、よく練習するよな」とリングを見上げると、プロレスではなくカラオケの練習をしているというもの。これまでも三沢さんがコミカルな役回りをするものが多かったが、いつも嫌な顔をせずに引き受けてくれたという。

 「次は格好いい三沢さんのCMにしたかった」と同社長。「ご遺族やファンの方の許しが得られ、条件がクリアされたら、三沢さんにCGでもいいから出てもらいたい」と、強くてたくましい三沢さんをCMでよみがえらせる計画も打ち明けていた。【森本隆】