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イモゾウムシ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 イモゾウムシ

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イモゾウムシ
分類群 コウチュウ目 ゾウムシ上科 ゾウムシ科
(Curculionidae, Curculionoidea, Coleoptera)
学名 Euscepes postfasciatus
英名等 West Indian sweetpotato weevil
自然分布 カリブ海島嶼域
形態 体長3.2~3.6mm程度の甲虫.暗褐色の地に淡褐色の斑模様.上翅後部に灰白色横帯.全身に立生した鱗片があり,粗い毛に覆われているように見える.小盾板は無い.吻は曲がり,やや短く両端と中央で拡がる.吻溝は中基節前縁を超えない.
生息環境 ヒルガオ科植物(サツマイモなど)の塊根(イモ)に寄生.
繁殖生態 ヒルガオ科植物の塊根に産卵し,卵は6~8日で孵化.幼虫は塊根を食べて30日程度で蛹化.7日程度の蛹期を経て羽化すると塊根の外へ出る.成虫の寿命は4~10ヶ月程度.雌は1日1~5個,1世代に300~1500程度産卵.
生態的特性 食性:幼虫はヒルガオ科植物の塊根を食害.
侵入情報
国内移入分布 奄美大島以南の琉球列島,小笠原諸島 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 ハワイ,サイパンなどの太平洋島嶼と考えられている
侵入経路 米軍の物資,もしくは終戦に伴う太平洋の島嶼からの引き揚げ者が持ちこんだサツマイモが原因である可能性が指摘されている.石垣島には,宮古島から導入された優良品種のサツマイモへの混入と考えられている.
侵入年代 国内での初記録は,沖縄島1947年5月.その後以下のように分布拡大.宮古島・石垣島 1951年,沖縄島周辺離島 1952~1954年,奄美諸島1966~1968年.
影響 幼虫が塊根サツマイモなどヒルガオ科植物の葉,茎,塊根に潜孔する.
影響を受ける在来生物:ヒルガオ科植物,サツマイモなどの農産物
法的扱い 検疫有害動物.また,イモゾウムシ蔓延地域からのアサガオ属・サツマイモ属・ヒルガオ属植物の生茎葉と地下部は輸入禁止.加えて,本種の分布拡大防止のため,日本国内の北緯28度40分以南(奄美諸島以南の琉球列島,小笠原諸島)からのサツマイモの移動には検疫・消毒が必要で,アサガオ属・サツマイモ属・ヒルガオ属植物の生茎葉及び生塊根等の地下部は移動禁止(植物防疫法)
防除方法 薬剤散布.また,被害イモ・クズイモを外に放置しない(発生源になる).

不妊虫放飼による防除事業が久米島で行われている.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 南米,太平洋島嶼
備考
日本の侵略的外来種ワースト100

沖縄では,アリモドキゾウムシと本種は「イリムサー」と呼ばれ,本種の被害により変色したイモは「イリムサーイモ」と呼ばれる.
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