PDF版 橋の情報と資料 リンク目録

中日本建設コンサルタント:電子版(2017-4)


0. まえがき

 ここに紹介する「橋の情報と資料」は、藤井郁夫氏が個人的に編集・作成してまとめられた、主として橋梁史年表藤井資料と呼びます)を元に、扱い易い寸法単位で、何種類かのPDF版の目録形式に編集・整理したものです。

 藤井資料そのものは、JSCE土木図書館HPから検索できるデータベースとして一般公開されています。藤井資料は、橋梁工学の専門的視点から、橋に関する情報を年表の形で集めてあります。その原本は、項目数として、約5万3000件の日本の橋、及び、約4000件の世界の、橋梁と参考事項がエクセルのワークシートを使って集積されています。ただし、1970年以降のデータの追加が途切れています。一般的に言うと、膨大な件数を扱うデータベースは、一個人の努力では管理できない時代になっています。今後は、ボランティアの協力を仰いで、地域ごとに、データの追加・収集・整理をお願いすると同時に、全体を総合するシステムを研究する時代になってきました。その作業見本として、藤井資料全体を、複数のPDFファイルに分け、幾つかの参考資料を別に編集して目録集にまとめました。個別のPDFファイルの寸法単位を小さくして、ウエブでの閲覧に大きな負荷にならないようにしました。

 PDF版の作成は、次のように作業しました。まず、原本のエクセル(MS−EXCEL)の行単位のデータ件数に、キー項目として、一連のID番号を追加することから始めました。日本の橋は県別、世界の橋は国別に、小寸法のエクセルファイルに分けます。これを、テキスト形式のCSVファイルに落とした上で、ワード(MS−WORD)で取り込んで編集し、PDF形式に変換しました。そのままウエブ上で閲覧できますが、ダウンロードしてユーザ側で印刷して利用できます。逆向きに、そのPDF版は、テキストファイルに変換できます。これは、コンマ区切りのCSV形式を復元しますので、再びエクセルで取り込めば、個人作業用のエクセルファイルに再現できます。この再現エクセルファイルは、ユーザ側で地域の橋の情報と資料の追加や、元データの間違いなどを修正すれば、使い易い資料に編集できます。この際、データ件数の追加が見込まれますが、地域ごとに固有のID番号を付ける必要があります。この追加や修正のデータを返送して頂ければ、全体データベースの充実ができます。その方法についての提案も含めました。


1. 利用の手引き

   藤井資料には主要な二つの新・旧二つのエクセルバージョンがあります。筆者の方で、それぞれに一連のID番号を付けました。fuji******(約53000件)とFUJII*****(約43000件)とです。海外橋梁はFUJIIの方にあって、橋だけの件数は約3000件、技術史的な資料は約1000件です。日本の橋の資料はFUJII番号にもありますがfuji資料と重複しますので使いません。

 そもそも、データベースを標榜している電子情報の中身は、何か特定した専門的な事象のデータを集めてありますので、利用者(ユーザ)は、その専門について程ほどの知識が必要です。ここでは橋梁技術を考えています。そうであっても、日常的にアクセスするほど頻繁に利用することはありません。また、思い通りの情報が得られる訳でもありません。この理由の一つに、データだけでなく、ソフトウエアの方にもクセがあるからです。在ると分かっているデータであっても、検索に使うキーワードとしては不適当なことがあるからです。例えば東京の「日本橋」をJSCEのデータベースで調べると、「日本橋梁…」の会社名がある件数が大量にヒットしてしまいます。これは、データベースの機能が「葦の髄から天井覗く」のような点的な探索になるからです。面的な検索の代表が、事典・便覧などのような目録形式に編集したデータの閲覧です。こちらは、用紙に印刷すれば1000ページを超える冊子になりますので、少ページ数に分冊化したPDF版の目録で公開することにしました。「日本橋」を調べたいときは、下の表2にある「f13東京都」を通覧して下さい。このような利用形態では、日本橋以外のデータも眼に入りますので、暇なときの読み物としても閲覧できます。このPDF版目録の利用者には、
  • 第一に土木を専門とする学生、若い技術者を考えていて、橋梁工学の参考資料になることを期待しています。チュトリアル(tutorial)を目的として、表1に示すPDF版の解説を用意しました。
  • 第二は、観光案内を目的として参照する利用方法です。橋は地域の人に親しまれ、特徴のある橋は外から訪れる人には都市景観のシンボルマークになります。橋を見ることを主目的にした旅行はしませんが、折角の機会に橋を紹介する案内を加えるのは一つの提案です。江戸時代の浮世絵には、橋の図柄を直接間接に含む作品が多く見られます。近代になって、絵葉書がそれに代わる案内に使われています。これは、文書形態の目録ではなく、画像が主題です。デジタル画像の利用が便利になりましたので、橋の画像データベースの構築が試みられています。その構築には、橋ごとにID番号を付けて参照する必要があります。そのID番号は、藤井資料に使ったID番号と関連付けるようにデータ整理をすることにしています。
  • 第三は地域別の橋の情報管理に利用することです。国道・高速道路・鉄道などの橋梁は、管理者別に橋梁台帳を作成することになっていますが、横断的に全体資料を整理することまではしていません。したがって、私的な橋、例えば 寺社の境内にある象徴的な橋や、農道などに架けられている無名の橋などは取り上げられません。これらを含めて、地域単位での人文地理学的(human geography)な扱いは、小中学校の生徒さんの協力が得られるように社会科の課題とすることを提案したいと考えています。この資料管理は、同じく地域単位の公立図書館にお願いするのが適当ではないか、と思っています。
表1. チュトリアルに利用するPDFファイル

ファイル名

内容

ページ数

橋の資料解説編

このWEB版資料は、一過性の閲覧用ですので、ほぼ同じ内容を印刷もできるPDF版にまとめたものです。

19

藤井資料出典目録

橋の資料には、*印に続けて参考資料番号が付けてあります。そのリストをまとめたものです。

16

橋梁技術史年表

世界史的には産業革命以降:日本史的には横浜開港以降のトピックと、人名紹介を含みます。

11

年号西暦年対照表

例えば、横浜開港は安政6年ですが、1859年と直ぐに対照できるような表を作成しました。


2. 都道府県別ファイル

  橋の資料は、都道府県別のPDFファイルに分けてあります。表2は、PDFファイルの個別のページ数が書いてあり、WEBでの閲覧、またダウンロードするときの負荷が分かるようにしました。橋の一件あたりのデータ並びは、見出しに「ID番号・西暦年・漢字の橋名…」と続きます。橋名の読みが( )内で表示されている場合と、ない場合とがあります。日本語の固有名詞は漢字を当てますが、読みは単純ではありません。それを助けるため、二種類の橋名索引を作成しました。
表2. 都道府県別のPDFファイルのページ数と橋のデータ件数

都道府県別ファイル名

英字コード

県庁所在地

ページ数

件数

f01北海道

HK

札幌

99

5941

f02青森県

AO

青森

17

1010

f03岩手県

IW

盛岡

17

881

f04宮城県

MY

仙台

21

1221

f05秋田県

AK

秋田

16

801

f06山形県

YG

山形

20

1101

f07福島県

FS

福島

25

1423

f08茨城県

IB

水戸

10

512

f09栃木県

TG

宇都宮

10

575

f10群馬県

GM

前橋

24

1406

f11埼玉県

ST

さいたま

16

863

f12千葉県

CB

千葉

9

469

f13東京都

TK

東京

64

3381

f14神奈川県

KN

横浜

35

1814

f15新潟県

NI

新潟

25

1356

f16富山県

TY

富山

15

809

f17石川県

IS

金沢

8

398

f18福井県

FI

福井

10

549

f19山梨県

YN

甲府

13

719

f20長野県

NG

長野

36

2056

f21岐阜県

GF

岐阜

28

1534

f22静岡県

SZ

静岡

27

1363

f23愛知県

AT

名古屋

25

1351

f24三重県

ME

20

1175

f25滋賀県

SG

大津

14

829

f26京都府

KY

京都

20

1067

f27大阪府

OS

大阪

38

2056

f28兵庫県

HG

神戸

24

1367

f29奈良県

NR

奈良

6

359

f30和歌山県

WK

和歌山

14

782

f31鳥取県

TT

鳥取

9

520

f32>島根県

SM

松江

11

644

f33岡山県

OY

岡山

20

1080

f34広島県

HS

広島

16

923

f35山口県

YK

山口

12

712

f36徳島県

TS

徳島

24

1395

f37香川県

KK

高松

14

866

f38愛媛県

EH

松山

13

787

f39高知県

KO

高知

12

649

f40福岡県

FO

福岡

20

1100

f41佐賀県

SA

佐賀

7

419

f42長崎県

NS

長崎

12

701

f43熊本県

KM

熊本

18

1017

f44大分県

OI

大分

20

1214

f45宮崎県

MZ

宮崎

13

714

f46鹿児島県

KG

鹿児島

20

1226

f47沖縄県

OK

那覇

4

245

PDFファイル全体ページ数の合計 951
橋の資料件数の合計 53380
英字コードは追加資料の分類に付けます(提案)
北海道は飛び抜けてPDFページ数が多いので、地域別の分冊を考えたいところです(提案)

3. 海外の橋の資料

 日本は、明治維新以降、欧米の橋梁技術に多くを学んできました。当然のことながら、欧米の実在橋梁の資料を集めることが行われてきました。海外の橋の現地へは簡単に旅行ができませんので、技術資料の多くは、海外文献から集める必要がありました。2017年時の件数は、約3000です。

  • 「橋名索引(世界)」:件数の多いのは、米国(US)の799です。次いで、フランス・ドイツ・イギリスが続きます。海外の橋の情報も、見易さを目的としたPDF版に整理します。そのファイル名は、下の表3のように、ほぼ大陸別にわけました。
表3. 世界の橋の資料をまとめたPDFファイル

ファイル名

主要な国名

ページ数

F1アメリカ合衆国

アメリカは50州ありますが、州別には分けていません

19

F2カナダ中南米圏

アメリカを除いた、北中南米諸国

F3イギリス圏

イギリス(UK)、アイルランド、アイスランドと北欧4国を含めます

11

F4フランス圏

ラテン系言語の国、南欧と、ベネルックス

13

F5ドイツ圏

ドイツ、オーストリア、スイスをまとめました

11

F6東欧アフリカ圏

アフリカ、東欧、西・南アジア、オセオニアの諸国

10

F7東アジア圏

>日本を除く漢字言語で参照できる国(中国・台湾・韓国・樺太)