主な式典におけるおことば(平成元年)

天皇陛下のおことば

即位後朝見の儀
平成元年1月9日(月)(宮殿)

大行天皇の崩御は,誠に哀痛の極みでありますが,日本国憲法及び皇室典範の定めるところにより,ここに,皇位を継承しました。

深い悲しみのうちにあって,身に負った大任を思い,心自ら粛然たるを覚えます。

顧みれば,大行天皇には,御在位60有余年,ひたすら世界の平和と国民の幸福を祈念され,激動の時代にあって,常に国民とともに幾多の苦難を乗り越えられ,今日,我が国は国民生活の安定と繁栄を実現し,平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。

ここに,皇位を継承するに当たり,大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし,いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ,皆さんとともに日本国憲法を守り,これに従って責務を果たすことを誓い,国運の一層の進展と世界の平和,人類福祉の増進を切に希望してやみません。

第114回国会開会式
平成元年2月10日(金)(国会議事堂)

本日,第114回国会の開会式に臨み,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の大きな喜びであります。

我が国は,今日まで,幾多の苦難を乗り越え,国民の英知とたゆまない努力により,国民生活の安定と繁栄を実現し,平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。内外の諸情勢が変動する中で,我が国は,国民福祉の一層の向上を図るため不断に努力するとともに,世界の平和と繁栄を目指し,自然と文化を愛する国家として広く貢献することが期待されています。

ここに,国会が国権の最高機関として,その使命を十分遂行することを切に希望します。

1989年(第5回)日本国際賞授賞式
平成元年4月12日(水)(国立劇場)

第5回日本国際賞の授賞式に当たり,ローランド博士とコーリー博士の受賞を心からお祝いいたします。

今回授賞の対象となった両博士の業績は,いずれも環境あるいは医薬の分野における科学技術の進歩に大きく寄与し,人類の福祉に著しく貢献するものであり,ここに両博士に対し,深く敬意を表したいと思います。

今日,科学技術の進歩は目覚ましいものがあり,この進歩を人類の幸福に役立てることは極めて大切なことであります。フロンガスもかつては有用な物質として作り出されたものであり,当時はこの物質が現在のような問題を引き起こすとは考えられていませんでした。このような例は科学技術の歴史を振り返るときしばしば起こっており,科学技術を常に新しい広い視野から見直しつつ,発展させていくことが必要であることを深く感じさせます。これからも科学技術の進歩が世界の人々全体のために,良い方向に進められていくことを切に望んでやみません。

ここに,人類の繁栄と平和を目指す日本国際賞が世界の科学技術のよりよき発展に一層寄与することを願い,授賞式に寄せる言葉といたします。

みどりの日制定記念式典
平成元年4月29日(土)(国営昭和記念公園)

本日,ここに,「みどりの日」制定記念式典が,関係者多数の参加の下に,昭和天皇にゆかりの深いここ昭和記念公園で開催されることは,誠に喜びに堪えません。

自然をこよなくいつくしまれた昭和天皇のお誕生日として,長い間親しまれてきた今日の日が,新しく「みどりの日」として国民の祝日に加えられたことは,大変意義深いことと思います。

みどり豊かな自然は,国土の保全や資源としての面で有用であるばかりでなく,私たち人間の環境として,日々の生活にやすらぎやゆとりを与え,うるおいやいつくしみの心をはぐくむ,この上なく重要な存在であります。日本人は,古来,このような自然を畏敬し,これを守り育て,その恵みを受けてきました。日本の文化もその環境の中で培われたものであります。

近年,わが国の目覚ましい経済発展に伴って,国民生活は著しく向上してきましたが,今後更に,物心両面にわたって,より質の高い国民生活を実現していく上で,自然の豊かさが,不可欠の要件となることは,いうまでもありません。

現代の自然は,私たちの祖先が大切に受け継いできたものであり,これを引き続き育てていくことは私たちの重要な務めであると思います。

ここに,「みどりの日」の制定を機に,国民一人一人が,自然の大切さに深く思いを巡らせ,感謝の気持ちをもってその恩恵を享受するとともに,これを更に豊かなものとして,発展させていくために,一層力を尽くされるよう切に望んでやみません。

第40回全国植樹祭
平成元年5月21日(日)(神山森林公園(徳島県))

本日,ここ「神山森林公園」において催される全国植樹祭に臨み,皆さんと共に植樹を行うことは,誠に喜ばしいことであります。

この行事も今年で40回を迎えました。今は亡き昭和天皇は,第1回以来御臨席になり,緑豊かな国土になることを願われたのでありました。

私は毎年全国育樹祭に臨み,植樹祭のあとを振り返り,年月を経た木々の育ちを感慨深く眺めてまいりました。この度,昭和天皇の御遺志を受け継ぎ,皆さんと共に緑なす国土を求めていきたいものと思います。

今大会が,「やすらぎの緑を未来へ」を主題として,緑豊かな郷土づくりを目指していくことは,大変意義深いことであります。

自然は私たちの祖先がはぐくんできたものであり,これを良く守り育てていくことは,今日私たちに課せられた義務であり,人類全体にとっても極めて重要な課題となってきています。とりわけ植樹は,森林資源の確保はもとより,水源の涵養,災害の防止,生活環境の向上のために,ますます重要性を増しており,また,それによって,自然をいつくしむ心も培われてきます。

皆さんが,今後とも積極的に植樹を推進し,緑あふれる豊かな国土の建設に力を尽くされることを希望いたします。

財団法人結核予防会創立50周年記念第40回結核予防全国大会
平成元年5月23日(火)(ホテルニューオータニ)

結核予防会が設立されて50年,本日,その記念の大会に,日ごろ結核予防に尽くしている皆さんと共に臨むことを喜ばしく思います。

結核予防会が創立された当時,結核は国民病とまでいわれた難病であり,その予防,治療,研究などの面において払われた予防会の御苦労は誠に大きかったことと察せられます。今日,我が国の結核をめぐる状況は著しく改善され,死亡者数も大きく減少しました。ここに,永年にわたる関係者のたゆまぬ努力に対し,深く敬意を表するものであります。

しかしながら,近年,患者の減少率は鈍化し,高齢化も進んでいると聞いております。伝染病である結核を根絶するためには,なお解決すべき問題が少なくないことと思います。

今後も,更に皆さんが互いに協力して,結核予防事業を推進し,国民の健康と福祉の増進に寄与するよう希望いたします。

第115回国会開会式
平成元年8月8日(火)(国会議事堂)

本日,第115回国会の開会式に臨み,参議院議員通常選挙による新議員を迎え,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の大きな喜びであります。

ここに,国会が,国権の最高機関として,内外の諸情勢に対処し,国民生活の安定向上と世界の平和と繁栄のため,その使命を十分果たし,国民の信託にこたえることを切に希望します。

全国戦没者追悼式
平成元年8月15日(火)(日本武道館)

「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に際し,ここに,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,尊い命を失った数多くの人々やその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。

顧みれば,終戦以来すでに44年,国民のたゆみない努力によって築きあげられた今日の平和と繁栄の中にあって,苦難にみちた往時をしのぶとき,感慨は誠につきるところを知りません。

ここに,全国民とともに,我が国の一層の発展と世界の平和を祈り,戦陣に散り,戦禍にたおれた人々に対し,心から追悼の意を表します。

第9回全国豊かな海づくり大会
平成元年9月10日(日)(広島県安浦町)

本日,瀬戸内海のほぼ中央に位置するここ広島県安浦町において,全国豊かな海づくり大会が,関係者多数の参加の下に開催されることを,誠に喜ばしく思います。

古来,我が国は,海からの豊かな恵みを受けてきましたが,この豊かな海の環境を将来にわたって保全し,水産資源の維持培養に努めることは,今日,極めて緊要な課題となっております。特に,この瀬戸内海のような内海は,良い環境に保つために多くの人々の協力が必要であり,関係者の努力の程が察せられます。

つくり育てる漁業は,水産業の今後の発展の一翼を担うものと大きく期待されておりますが,その成果は,海を良好な状態に保つことによって,初めて可能となると考えられます。

海の持つ重要性は,自然環境の面でも,また水産資源の面でも,我が国にとってはもちろん,全地球的な視野からみて,限りなく大きなものがあります。

「すばらしい未来につなぐ海づくり」をテーマとするこの大会を契機に,豊かな海づくりの機運が更に高まり,我が国の海の恵みと美しさを人々が長く享受できるよう,関係者が一層努力されることを切に望んでやみません。

第44回国民体育大会秋季大会開会式
平成元年9月17日(日)(札幌市厚別公園競技場(北海道))

本日,ここに,「はまなす国体」秋季大会の開会式に臨み,全国各地から選ばれた選手の元気な姿に接することは,誠に喜ばしいことであります。

国民体育大会も今年で44回を数え,北海道の開催も2回目を迎えましたが,国民体育大会が戦後のスポーツの振興に果たした意義は非常に深いものがあったと思います。永年にわたる関係者のたゆまざる尽力を深く多とするものであります。

現在,国民の間には,広くスポーツを愛好する気持ちが高まってきており,また,スポーツが国民の心身の健康に資する意義も深いものがあります。国民各層の幅広い参加を得て開かれるこの大会には大きな期待が寄せられます。

選手の皆さんは,日ごろ鍛えた力を十分発揮されるとともに,北海道の秋を味わい,人々との交流を深め,豊かな思い出をもってそれぞれの地に戻られるよう願っています。

道民の熱意ある協力の下に開かれるこの大会が,実り多きものとなるよう期待し,開会式に寄せる言葉といたします。

第116回国会開会式
平成元年9月28日(木)(国会議事堂)

本日,第116回国会の開会式に臨み,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の大きな喜びであります。

ここに,国会が,国権の最高機関として,当面する内外の諸問題に対処し,その使命を十分果たし,国民の信託にこたえることを切に希望します。

第25回全国身体障害者スポーツ大会
平成元年9月30日(土)(札幌市厚別公園競技場(北海道))

全国から参加された選手,役員を迎え,北海道において開催される第25回全国身体障害者スポーツ大会の開会式に臨むことは,誠に喜ばしいことであります。

岐阜県で行われた第1回大会以来,一昨年の沖縄県で行われた大会まで,毎回見守ってきた私には,その発展に深い感慨を覚えます。25年の歳月は,各地に障害者のスポーツに対する理解を育ててきました。この間,障害を持つ多くの人々が,スポーツを通じ,新たな人生を見いだしてこられたことと思われます。この大会が身体障害者の福祉に資する意義は大きく,大会を育ててきた関係者の尽力に対し,深く感謝しております。

国民の間に,スポーツを楽しむ人々が増加している今日,障害者のスポーツに対する理解も,更に増進されなければならないと思います。今後とも,関係者の一層の努力を期待するものであります。

選手の皆さんには,日ごろの練習の成果を十分に発揮されるとともに,スポーツを通じて友情を深められ,楽しい思い出をつくられるよう願っております。

北海道民の熱意ある協力の下に開催される「はまなす大会」が実り多きものとなることを祈り,大会に寄せる言葉といたします。

日本大学創立100周年記念式典
平成元年10月4日(水)(高輪プリンスホテル)

日本大学が創立100周年を迎えるに当たり,皆さんと共に,その記念式典に臨むことは,誠に喜ばしいことであります。

日本大学が日本法律学校として設立された明治22年は,我が国において初めて憲法が発布された年に当たり,法体系の整備,運用に関連する教育の緊要性は,極めて高いものがあったと思われます。以来今日まで,日本大学が,我が国社会の各分野において,国の発展と国民の幸福に寄与する幾多の人々を育ててきたことは,深く多とするところであります。

大学は,今日の社会の要請にこたえるとともに,未来をも目指した教育,研究の場として,重大な使命を担っています。国際社会の一員としての我が国の役割が,一層重要性を増してきている現在,国内はもとより,広く世界の様々な分野において,人類社会に貢献する人々が,ますます多くこの大学から送り出されることを切望します。

日本大学が,100年の歴史の上に新たな一歩を踏み出すこのとき,その将来の一層の発展に期待して,お祝いの言葉といたします。

更生保護制度施行40周年記念式典
平成元年10月5日(木)(日本武道館)

本日,更生保護制度施行40周年の記念式典に臨み,皆さんと一堂に会することを誠に喜ばしく思います。

更生保護事業の関係者が,民間篤志家として,永年にわたり,この労苦の多い仕事に献身的な努力を重ね,社会秩序の維持と個人及び公共の福祉の増進に大きく貢献してこられたことは,深く多とするところであります。

皆さんが,これを機会に,更生保護事業の国家社会に果たす役割と意義に思いを致し,心を新たにして,この制度の充実を図り,犯罪のない社会の実現に寄与するよう切に希望します。

国賓 ジンバブエ大統領閣下のための宮中晩餐
平成元年10月16日(月)(宮殿)

このたび,ジンバブエ共和国ムガベ大統領閣下が遠路はるばる我が国を公式に御訪問になったことに対し,心から歓迎の意を表します。大統領閣下を国賓としてお迎えし,今夕,宴席を共にできることは,私の喜びに堪えないところであります。

また,先般の昭和天皇の大喪に際しては,貴国からムゼンダ副大統領閣下及び令夫人の御参列を頂きましたことに対し,ここに改めて感謝の意を表します。

貴国と我が国とは,1980年の貴国の独立とともに外交関係を樹立して以来,常に友好関係を保ってきました。この10年を振り返りますと,貴国からは1981年に当時首相であられた大統領閣下をお迎えしたのをはじめ,数多くの要人が訪日され,両国の間の人と人との交流は年を追うごとに深まって来ております。

近年に至り両国の間では,経済,技術協力,文化交流等,いろいろな分野で,友好協力関係がますます緊密の度を深めていることを喜ばしく思います。

大統領閣下には,優れた指導力をもって貴国の独立のために尽力され,引き続き独立後も,強い決断力をもって国造りに邁進されておられると聞き,私は心から敬意を表するものであります。

我が国に深い関心をお寄せになる閣下の御来訪により,両国間の理解と信頼が更に深まり,友好と協力が一層増進するものと確信いたします。

このたびは,短い御滞在ではありますが,御訪日が実り多く快適なものであることを希望します。

ここに杯を挙げて,大統領閣下の御健康と御多幸をこいねがい,併せてジンバブエ共和国の繁栄を祈ります。

第5回国際生物学賞授賞式
平成元年11月27日(月)(日本学士院会館)

ただ今,エリック・ジェームズ・デントン博士が第5回国際生物学賞を受賞されたことを,心からお祝いいたします。

国際生物学賞は,昭和天皇の御在位60年と長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに,生物学の奨励を図るために設けられたものであります。

今回の受賞分野は海洋生物学であり,博士は,海洋あるいは海水が持つ物理的あるいは化学的特徴と海産動物の形態的構造並びに生理的機能との関係を,主として物理学的手法によって明らかにされたとのことであります。その内容を十分に理解することは私には難しいと思われますが,魚の生態にも関心を持つものとして,海産動物がいかに海という環境に適応してきたかを知る上で,極めて意義深い研究と考えられます。

博士の研究対象は,ヒドロ虫類の分野を研究なさった昭和天皇とは異なっていますが,昭和天皇が海の生物に広く関心を持っていらっしゃったことから,お元気であれば博士の研究業績にも興味をお持ちになったことと,昭和天皇をおしのびしております。

博士の研究者として,また,教育者として収められた業績に対し,深く敬意を表するとともに,博士の今後の御研究が実り豊かなものとなり,海洋生物学が一層進展することを願って,お祝いの言葉といたします。

国立身体障害者リハビリテーションセンター及び国立職業リハビリテーションセンター創立10周年記念式典
平成元年11月28日(火)(埼玉県)

本日,国立身体障害者リハビリテーションセンター及び国立職業リハビリテーションセンターの創立10周年記念式典に臨むことを,誠に喜ばしく思います。

「完全参加と平等」をテーマとした国際障害者年から8年の月日がたちました。障害を持つ人々に対する国民の理解と関心も年を追って高まり,障害を持つ人々が社会の一員として,健常者と相協力して生活していく努力が続けられていることは,大変うれしいことであります。

このセンターは,障害を持つ人々の社会参加に資するため,リハビリテーションの体系的推進という理念の下に創立され,社会の変化に即応した先駆的な訓練,指導を行うとともに,その経験を通じてのリハビリテーション技法に関する実践的な研究開発を行い,障害を持つ人々の自立と社会復帰のためにたゆみない努力を払ってこられました。ここに,その努力に対し,心から敬意を表したいと思います。

近年,病気や事故による身体障害者が増加し,加えて重度化,高齢化が著しいと聞いておりますが,福祉対策を更に推進するため,身体障害者リハビリテーションの中心的機関として,両センターが果たすべき役割は,今後ますます重要になるものと思います。

10周年を機に,両センターの機能が一層充実し,障害を持つ人々の自立促進に寄与することを願い,式典に寄せる言葉といたします。

国賓 タンザニア大統領閣下及び同令夫人のための宮中晩餐
平成元年12月18日(月)(宮殿)

この度,タンザニア連合共和国ムウィニ大統領閣下並びに令夫人を国賓として我が国にお迎えいたしましたことは,両国の親善のため誠に意義深く,心から歓迎の意を表したいと思います。今夕,宴席を共にできることは,私の深く喜びとするところであります。

また,先般の昭和天皇の大喪に際して貴国からワリオバ総理大臣兼第一副大統領閣下の御参列を頂きましたことは,貴国の我が国に対する友好の気持ちの表れとして,深く感謝しております。

貴国と我が国とは,貴国の独立以来,常に友好関係を保って参り,1981年には,貴国の国づくりにいそしまれたニエレレ大統領閣下が,国賓として,我が国を御訪問になりました。その答訪として,2年後,皇后と共に貴国を訪問し,ニエレレ大統領閣下を始め,ダルエスサラ-ムやザンジバルなど各地で,官民の温かいおもてなしを受けたことは,私共の忘れ得ぬ思い出であり,地理的に遠い国が非常に身近に感じられるようになりました。今日も,ヌゴロンゴロ・クレ-タ-の朝の景観や平野にそびえたつキリマンジャロの雄姿など,豊かな自然のすばらしさがなつかしくまぶたに浮かびます。

閣下には,大統領御就任以来,国際社会における貴国の地位を高められるとともに,更に貴国経済の発展のための御尽力になっていると伺っております。また,貴国がアフリカの指導的地位にある国の一つとして,アフリカ諸国の解放・独立と地位向上のために貢献されてきたことに対し,深く敬意を表します。

我が国に深い関心をお寄せになる閣下の御来訪により,両国間の理解と信頼が更に深まり,友好と協力が一層増進するものと確信いたします。

閣下御夫妻には短い御滞在ではありますが,広く各界の人々とお接しになり,親しく我が国の実情を御見聞になるとともに,初冬の古都の風光をお楽しみになって,御訪日が実り多く快適なものとなりますよう希望します。

ここに杯を挙げて,大統領閣下並びに令夫人の御健康と御多幸並びにタンザニア連合共和国の繁栄を祈ります。