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斉藤由貴

  • Saito Yuki
  • 出演/音楽
本名
出身地 神奈川県横浜市
生年月日 1966/09/10
没年月日

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略歴

神奈川県横浜市の生まれ。中学生の頃からルキノ・ヴィスコンティの映画などを好んでいた。県立清水ヶ丘高校(現・横浜清陵総合高校)3年生だった1984年に、雑誌『週刊少年マガジン』の“ミスマガジンコンテスト”でグランプリに選ばれ、芸能活動をスタート。85年のフジテレビ月曜ドラマランド『野球狂の詩』でドラマ初主演を飾る。放送はこれよりあとになったが、初めての現場だったTBS『原島弁護士の愛と哀しみ』85で、演出の大山勝美に演技を褒められたのが嬉しくて女優になる決意を固めたという。同時期に明星食品『青春という名のラーメン』のCMに出演。思いつめた表情の美少女ぶりが反響を呼び、2月にリリースした歌手デビュー曲『卒業』が35万枚を売り上げるヒットとなって、85年デビュー組のアイドルの中でもたちまち別格の存在となる。4月にはフジテレビ『スケバン刑事』で連続ドラマ初主演。さらに相米慎二監督「雪の断章・情熱」で映画初主演も果たすと、早くもアイドルの枠を越えた大型新人女優として注目される。相米監督からはホン読みの段階からみっちりと絞られ、テストを終日繰り返すなど本物の感情から生まれる演技を粘り強く求められた結果、孤児として育ったヒロインの周囲への愛憎を無我夢中で演じた。86年、人気絶頂の中でNHK連続テレビ小説『はね駒』のヒロインとなる。女性新聞記者の草分けとなった実在の女性の奮闘記を明るく演じて、平均視聴率40%以上を記録するヒット作とすると、同年末のNHK『紅白歌合戦』の紅組キャプテンに当時最年少で選ばれた。ふっくらとした丸い顔立ち、頭の回転の早さ、少し三枚目のキャラクターを演じると光るチャーミングさといった個性は総じてコメディに向き、同年の大森一樹監督「恋する女たち」では恋に不器用な女の子の友情と成長を瑞々しく好演。前年に続き、各映画賞の新人賞を総ナメにする。大森監督とのコンビは草創期のテレビジョンが舞台の「トットチャンネル」87、それぞれの道を行く家族の姿を描いた「『さよなら』の女たち」87と続き、この“三部作”で東宝青春映画のスターの地位を確立。その後も杉田成道監督「優駿」88、渡邊孝好監督「君は僕をスキになる」89、金子修介監督「香港パラダイス」90、森田芳光監督「おいしい結婚」91と充実した出演歴を重ね、テレビドラマでもフジテレビ『あまえないでヨ!』87、TBS『はいすくーる落書』89などの主演作がヒット。大林宣彦演出の単発ドラマ『私の心はパパのもの』88は、92年になって劇場公開もされた。舞台では帝劇『レ・ミゼラブル』87のコゼット役に抜擢されて評価を得、歌手としても自身の映画主題歌のほか、テレビアニメ『めぞん一刻』86の主題歌『悲しみよこんにちは』や、井上陽水の名曲のカヴァー『夢の中へ』89がヒットするなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍が続く。そんな順風満帆の女優人生も、90年代に入ると既婚者との恋愛がスキャンダラスに報じられ、逆風の時期を味わう。93年、日本テレビの連続ドラマ『同窓会』に主演。同性愛の夫に愛されない苦しさから男娼を買うという、それまでの役柄とは真逆の汚れ役が話題となったが、放送が進むにつれて真摯なテーマへの取り組みが作品ともに理解される。94年に一般人男性と結婚。以降は人気の第一線からは退く形になり映画の起用は減っていたが、デビュー作を監督した相米の「あ、春」99で主人公(佐藤浩市)の妻役に起用される。夫の生き別れた父親だと言い張る男(山崎努)が家の中に闖入する異色ホームコメディで、世間知らずの主婦が珍事を契機に変わっていく姿をニュアンス濃く演じ、改めて女優の力量を示す。また、私生活ではこの年に長女を出産。2003年に長男、04年に次女とおめでたが続く間も、篠原哲雄監督「命」02、金田敬監督「青いうた/のど自慢・青春編」06などに助演する。後者ではデコテラ運転手をしながら娘を育てるシングルマザーを演じて、意外な役柄に青春映画のヒロインのその後の人生を思わせる厚みを与えた。テレビ、舞台でも活動を続け、01年の『空のかあさま』では菊田一夫演劇賞を受賞。06年、人気脚本家・宮藤官九郎が初めて昼帯ドラマの脚本を手がけて話題となったTBS『吾輩は主婦である』に主演し、夏目漱石の魂が乗り移ったミュージカル好きの主婦という奇想天外な役で、達者なコメディエンヌぶりを久々に披露した。宮藤のように学生時代にファンだった世代が作り手となり、社会の中堅となったことで改めて人気が高まり、08年には13年ぶりのコンサートのチケットが即日完売。もともと90年代まで続けていた音楽活動は歌手としてのファンも多かった本格的なもので、アルバムのプロデュースを自ら手がけたほど。詩集『運命の女』90、小説『NOISY』94を発表するなど文才も豊かで、自作詞のクオリティは早くから高く評価されていた。近年のテレビドラマはほかに、TBS『歌姫』07、『小公女セイラ』09、NHK『バッテリー』08、『つばさ』09、『おひさま』11、テレビ朝日『同窓会/ラブ・アゲイン症候群』10など。映画でも「BABY BABY BABY!」09、「BALLAD/名もなき恋のうた」09、「BANDAGE」10と堅実に助演を続けている。

キネマ旬報の記事

1999年1月下旬号

FACE:斉藤由貴

1987年2月下旬決算特別号

特別カラー・グラビア:新人女優賞 斎藤由貴