JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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「今日もサッカー日和」


 

今日から公益財団法人へ

 日本サッカー協会(JFA)は4月1日より公益財団法人として新たなスタートを切りました。
 ご存じの通り、JFAは『JFA2005年宣言』で、「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に寄与する」という理念を具現化するため、“JFAのビジョン”、そして“JFAの約束2015”、“JFAの約束2050”という中長期目標を掲げています。
 SAMURAI BLUE(日本代表)やなでしこジャパンなど代表チームの興行部分が大きくクローズアップされがちですが、選手育成や指導者・審判養成、フットボールセンターをはじめとするスポーツ環境の充実、国際貢献活動なども積極的に行っています。我々の活動そのものが公益と評価されての今回の公益財団法人化だと思っています。
 公益財団法人になったからといって、我々の活動自体は何ら変わるものではありませんが、これまでのように文部科学省という監督官庁がなくなるため、我々自らが組織を健全に統治していかなければなりません。それには、職員一人一人がこれまで以上にコンプライアンスの意識を持ち、公益活動を担う立場として自覚と誇りを強く持つことが求められます。既に、「役職員行動規範」や「役員の服務規程」などでJFAのガバナンスに取り組んでいますが、今後はこれらをより周知徹底させていく方針です。
 FIFA女子ワールドカップでは、なでしこジャパンの、決して諦めないひたむきな戦いが東日本大震災で被災した人々を元気づけ、世界中のサッカーファミリーから共感を呼びました。また、Jリーグやなでしこリーグなどと共催したチャリティマッチでは、多くの人々の善意が集まりました。また、FIFA(国際サッカー連盟)にもお願いし、被災地に多額の資金的援助と物資を提供するに至りました。
 サッカー環境の充実をいう面では、2004年度以降、2012年度まで、都道府県フットボールセンター整備助成事業(2004~2006年は2002年FIFAワールドカップ記念事業助成金として交付)として、この9年間で約55億円を助成し、39都道府県で48の施設を整備してきました。自治体の助成金を含めると200億円以上の投資を行ってきたことになります。これによって各地のプレーヤーの活動の場が広がり、充実した活動につながるものと思っています。
 また、子どもたちの健全な成長を願い、各競技のアスリートたちの賛同と協力を得て、2007年度から「JFAこころのプロジェクト」を展開。被災地でも同様の活動が必要だとして、日本体育協会と日本オリンピック協会、日本トップリーグ連携機構に呼びかけ、昨年から日体協主導で「スポーツこころのプロジェクト」をスタートさせました。現役アスリートやOB/OGが自らの競技人生を子どもたちに語り、夢を持つ素晴らしさ、失敗や挫折にくじけない強い心を持つことの大切さを説いています。そのほか、アジアのサッカー新興国に指導者を派遣したり、協会組織のノウハウを提供する等の活動を通じて国際親善やアジアサッカーの発展を後押ししています。
 このように、スポーツには大きな力が秘められています。我々はその力とこれまでの遺産を駆使し、人々の健康で豊かな生活に寄与し、社会を元気づける存在であり続けたいと考えます。公益財団法人として認定されたことで社会的信頼度も高まりますから、その期待に応えるべく成果を出していきたいと思っています。

姓名のローマ字表記順を変更

 ところで、話は変わりますが・・・。
 JFAはこれまで姓名をローマ字で表記する際、「名-姓」の順で記してきました。これは、明治時代に欧米の文化が入ったころから定着したもので、欧米の表記に合わせたものです。
 文部科学省(当時文部省)の国語審議会が2000年12月に「国際社会に対応する日本語の在り方」という答申を出し、その中に「姓名のローマ字表記の問題」としてこれを取り上げました。文科省は、「日本人の姓名については、ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばOgura Junji)とすることが望ましい。なお、従来の慣習に基づく誤解を防ぐために、姓をすべて大文字とする(OGURA Junji)、姓と名の間にコンマを打つ(OGURA, Junji)などの方法で、「姓-名」の構造を示すことも考えられよう」と明文化しています。
 この答申は強制力はないのですが、JFAとしても文科省の答申に倣い、今後は「姓-名」の順で統一させていきたいと考えています(ちなみに、FIFAの主催試合や日本代表戦、Jリーグなどではこれまで、「名-姓」の順で、姓を全て大文字で記しています。一方、AFC(アジアサッカー連盟)のマッチレポートでは、「姓-名」の順で記しています)。
 我々としては、他に先駆けこれを統一すれば、日本人古来の姓名表記をリスペクトするというのを世間にアピールできると思いますし、物理的には、名前を検索する際、苗字で検索するのが一般的ですので、そういった合理性も考えて「姓-名」表記を推し進めていきたいと考えています。
 JFAとしては早急にガイドラインを作成し、代表戦では、今日から開幕するキリンチャレンジカップのなでしこジャパンの試合から変更することにしています。Jリーグなど関連団体においては、混乱が生じたり、浸透に時間がかかるといったこともありますので、そういった課題を視野に入れ、対応可能なところから順次変更するよう準備を進めていきます。
 ちなみに、公益財団化に伴って我々の名刺も作り変えており、裏のローマ字表記では、私の場合ですとOGURA Junjiというように、「姓-名」にして姓を全て大文字で記すことにしています。これも公益財団法人になっての新しい試みです。