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日本絵具クレヨン工業協同組合
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クレヨンとパスの成分
クレヨンとパスの誤飲、誤食
クレヨンとパスの違いと特徴
クレヨンとパスは何色まであるの
クレヨンとパスの廃棄
クレヨンとパスの作り方
汚れの落し方
クレヨンとパスの起源と歴史
  水彩絵の具の成分
水彩絵の具の誤飲、誤食
水彩絵の具の作り方
絵の具の種類
顔料とは
絵の具は何色まであるの
絵の具の廃棄
水彩絵の具の落し方
変なにおいがする、カビが生えた
水彩絵の具の歴史



クレヨンとパスに関する事

1.クレヨンとパスの成分
クレヨンとパスは着色剤となる顔料にワックス、オイル、体質顔料、その他添加剤から構成されております。クレヨンとパスはその描画方法の違いにより上記成分の比率が異なります。



2 クレヨンとパスの誤飲、誤食
当組合加盟企業で、児童用に作られたクレヨンとパスの場合、多少の誤飲であれば、特別、ご心配頂く必要はございません。まず誤飲したお子様の状態をご確認頂き、問題がなさそうなら、経過観察して下さい。万が一いつもと違うような様子が見受けられたり、何らかのアレルギー反応の様子やその他の異常が確認できるようでしたら、医師に連絡し、指示を受けて下さい。
但し、クレヨンやパスなどが気管に詰まってしまった場合などは、直ちに119番通報し、指示に従って、応急処置を実施して下さい。クレヨンとパスは棒状ですので、飲み込むとのどにつまる恐れがあり、お子様が使用する場合は、大人の指導のもとで使用させて下さい。



3 クレヨンとパスの違いと特徴
一般にクレヨンはパスに比べてワックスの比率が高い為 硬くて線描がしやすく、形状としては先端が細くとがっています。
パスは軟らかめで、面塗を主体とした描画に適しています。 



4 クレヨンとパスは何色まであるの
JIS(日本工業規格)では54色の色名と色調の規定があります。
学童用に市販されているものでは30色まであります。 

         
5 クレヨンとパスの廃棄
クレヨンとパスは、原則として、燃やせるゴミです。容器は、材質表示を見て、各自治体で定める廃棄方法に従ってください。



6 クレヨンとパスの作り方


@材料を混ぜ、機械で良く擦りつぶす。


A混合した材料を加熱して液状にする。


B液状にした材料を型に入れ、冷やして固める。


C型から取り出し、完全に冷めてからラベルを巻く。


D全部の色が揃ったら、容器に並べて完成。
クレヨンとパスの作り方



7.汚れの落し方
クレヨンとパスの落し方
対象物 汚れの落し方 落ち具合
ガラス/金属/
プラスチック
1. 灯油又はクレンジングオイルを布に染み込ませ、汚れた部分を拭く
2. 乾いた布で乾拭きする
ほぼ完全に
落ちます
布類(木綿) 1. 少し熱めのお湯(40-50℃)に汚れた部分を浸す
2. 汚れた部分に洗剤を付け、固めの歯ブラシでこする
3. 1.2.を繰り返し、最後に水ですすぐ
完全には
落ちません
家具
(白木を除く)
乾いた布で乾拭きを繰り返す
(歯ブラシに歯磨き粉を付けて軽くこすり、強く絞った濡れ雑巾で拭き取るのも有効な手段)
ほぼ完全に
落ちます
※ なるべく時間が経たない内に処理してください。
※ 灯油を用いる時は手荒れ防止のためポリ手袋等を使用してください又火気にご注意下さい。
※あらかじめ目立たないところで試してください。



8. クレヨンとパスの起源と歴史
クレヨンとパスの起源と歴史については、いろいろな説があるので、それぞれをそのまま紹介します。

■ 「絵を書くための道具と材料」1978年-美術手帳10月号増刊より
クレヨンの名称は18世紀初め頃までは、今日に言うクレヨン以外にコンテ、パステル、鉛筆などを含めたものを意味していた。 クレヨンとは、天然の白亜(Craie)に小片を意味する(-on)がついたもので、デッサンなどに用いる固形の描画材料の総称として用いられていた。木炭もクレヨンの仲間だった。

当時はこれらの画材は、小さい弾丸に削り、クレヨンホルダーと呼ぶ小さい補助柄の先に挟んで使ったものである。今日にいうようなクレヨンはそれほど重視されず、むしろ油を全く含まないものの方が主流であった。しかし、蝋や油を含むクレヨンの古い記録はレオナルド ダヴィンチの手記の中に『水も油も加えず使える固形彩色料の作り方』と題した一項目があり、これによると蝋を溶かして顔料を練り合わせ棒状にしたものを使うとある。これをレオナルドが実際に使ったかどうか作例は見つかっていないようだ。 16世紀には木炭を油出にて使う方法の記録がいくつかあるが、これもうまくかけたかどうかかなり疑問である。

■ 「油脂化学製品便覧」 昭和38年版より
日本では,大正6年ごろ、蝋に顔料を混ぜて色チョークと称して描画材料として使用されていたようで、当時、アメリカから同様のものが輸入され、大正7年頃にこれの類似品が製造されてクレヨンと呼ばれ一般に使用されるようになった。

■ 「筆記用具の化学と材料 」川端克彦監修 ぺんてる兜メより
ギリシャ時代にアンコスチックという絵の具が作られた。この絵の具は蝋と顔料とを混和したもので絵を描くときに熱を加えて溶かし、筆で塗っていた。これは固まりやすい材料であるからこれを補うため鉄製の棒状のものを熱して、その上から延ばして描いたのである。ビベール、ボージャス等の画家はこのアンコスチック絵で有名である。

その後これらは各地に伝播したが9世紀頃から下火になった。これがクレヨンの元祖である。その後19世紀の終わり頃、フランスのパステル画家が紙に直接描ける棒状の絵の具を試作、フランスのクレヨンコンテ社がクレヨンと命名して発売したのが今日のクレヨンの始まりである。その後、欧州、アメリカへと渡り世界を風靡したのが、大正4〜5年頃であった。我国に入ったのは、東京美術学校の白濱徴教授らがアメリカ図画教育視察後、その優秀さを認めて輸入、教材として使用され始めた。
                 
国産製品が製造され始めたのは大正10年以降である。この新興描画材料クレヨンは大正8年頃から盛んに提唱された自由画と渾然一体となって急速に全国に普及し、文部省が学童用描画材最適品として推奨したほどであった。日本の図画教育は自由画の提唱とクレヨンの出現により新世紀を迎え発展していった。その他のクレヨン類としては、パステル、コンテ、パス等がある。

パステルは、17世紀頃に欧州において発明され、18世紀頃盛んに用いられたもの。顔料、体質顔料及び粘結剤を水で練り合わせて成型し乾燥したもので油脂は使わない。
コンテは、パステルと似ているが、パステルより固く折れにくい。顔料、粘土及び粘結剤を水と練り合わせ低温で焼き乾燥させて作ったもので油脂は使わない。
パスは、大正14年に桜商会においてクレヨンとパステルとの中間的性質を持つ、各特長を取り入れての創作、クレパスと命名登録したのに始まる。

■ 「クレヨンの歴史」文責:清水靖子(サクラアートミュージアム主任学芸員)
参考文献:森田恒之著『画材の博物誌』(中央公論美術出版、1986年)、サクラアートミュージアム編『クレパス画事典』(潟Tクラクレパス出版部、2005年)、社史編集会議編『サクラクレパスの七十年』(1991年、潟Tクラクレパス)
『クレヨンは19世紀末あるいは20世紀初頭までの間にヨーロッパで生まれた描画材料です。その後、クレヨンはアメリカで量産されるようになりました。アメリカからクレヨンが日本に輸入されるのは、早くて1915年(大正4)頃か、あるいは遅くとも1917年(大正6)頃までの時期でした。このアメリカ製クレヨンは*1「クレイヨーラ」という商品名で今日でも市販されています。このクレイヨーラを作ったビニー&スミス社は1800年代末まで塗料用の赤色顔料やインクなどに用いる黒色顔料を扱うメーカーでしたが、1902年に学校で使う黒板用チョークを手がけてから学校用品に関心を持つようになり、1903年にクレイヨーラを作るに至りました。その背景には、19世紀末からアメリカで大規模な油田開発があり、石油を分留して精製する過程でパラフィンというワックスが副産物として大量に出来るのですが、このワックスを活用して、これに顔料を混ぜ込んで出来たのがクレヨンだったのです。それでクレヨンは“ワックス・クレヨン”という言われかたもします。

クレヨンが日本で学校教育用として使われるようになったのは、大正初期にアメリカの図画教育を視察した東京美術学校の関係者がクレヨンを持ち帰ったからといわれています。また、第一次世界大戦が終わり、日本が貿易黒字で豊かになって海外からの消費財が輸入できるようになったからでした。クレヨンは削る手間もなく、着色も発色も色鉛筆に比べて格段に良く、当時の美術教育の主流となりつつあった自由画にうってつけの描画材料として注目されました。そして日本でもクレヨンが作られるようになり、1921年(大正10)頃から国産クレヨンを製造する業者が相次いで創業しました。

クレヨンの国産化が始まると同時にクレヨン業者は急激に増えていき、1925年(大正14)には三十二社を数えるようになっていました。それまで高価な舶来品に手が届かなかったクレヨンは、国産品の出現で廉価で身近になってクレヨン画は大流行していきました。日本でクレヨンの普及が諸外国に比べて非常に早く、なおかつ浸透していったのは、1925年(大正14)に尋常小学校一学年の図画教材にクレヨンが採用され、低学年の描画材料として文部省が推奨したからでした。
  *1 クレイヨーラ:「クレオラ」とも呼ばれて発売されております。

 

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水彩絵の具に関する事

1 水彩絵の具の成分
成分は、着色顔料に体質顔料、接着剤の役割をするアラビアガムとデキストリン等の水溶性樹脂、水、乾燥を調節する為のグリセリン等の湿潤剤、添加剤(分散剤や保存料)を加えたものです。

2 水彩絵の具の誤飲、誤食
当組合加盟企業で、児童用に作られた水彩絵の具の場合、多少の誤飲であれば特別、ご心配頂く必要はございません。まず誤飲したお子様の状態をご確認頂き、問題がなさそうなら、経過観察して下さい。
万が一いつもと違うような様子が見受けられたり、何らかのアレルギー反応の様子その他の異常が確認できたりするようでしたら、医師に連絡し、指示を受けて下さい。
また、お口の中に絵の具の後味が残らないよう、うがいをさせて下さい。うがいができないお子さま等が誤飲された場合には濡れタオルなどでお口の中を拭いてあげてください。



3 水彩絵の具の作り方


@ 色の元になる顔料と体質顔料に、水溶性樹脂と湿潤剤と水を容器に入れて混合します。

A ボールミル・ロールミルなどの機械で混合、攪拌、擦りつぶしの工程を経て、粒子の細かい適度の粘度のある水彩絵の具ができます。

B できた絵の具を検査し、チューブなどに充填していきます。

C  全部の色が揃ったら、容器に並べて完成。
水彩絵の具の作り方




4.絵の具の種類
下地の色が透けて見える透明水彩絵の具、上の絵の具が下の色を覆い隠す不透明水彩絵の具、水の加減で透明にも不透明にも描ける半透明水彩絵の具があります。
学童用絵の具は一般には半透明水彩絵の具です。ポスター制作などに使われるポスターカラーは不透明水彩絵の具です。水溶性樹脂の代わりに乾くと耐水性のあるアクリル樹脂を使ったアクリルカラーやアクリルガッシュと呼ばれる絵の具もあります。       
携帯に便利な固形絵の具(ケーキカラー)もあります。



5.顔料とは
絵の具の色の元を顔料といいます。古くは天然の鉱物(土、石など)を細かく砕いたり、動物の骨を焼いて細かく砕いたものなどを顔料として使用していました。
しかし、これらは不純物が多く又色が鮮やかでなかったため、現在ではほとんどの顔料は金属や石油から合成された顔料を使用しています。
特に白色で着色力の少ない顔料を体質顔料といい、塗りやすくする為に加えています。



6.水彩絵の具は何色まであるの
JIS(日本工業規格)では36色の色名と色調が規定されています。
学童用に市販されているものでは26色まであります。



7.絵の具の廃棄
搾りだした絵の具は原則として燃やせるゴミです。 チューブと容器は、材質表示を見て、各自治体で定める廃棄方法に従ってください。自治体によっては、大量の絵の具の中身は、産業廃棄物とみなされる場合もあるようです。



8.汚れの落し方
水彩絵の具の落し方
対象物 汚れの落し方 落ち具合
ガラス/金属/
プラスチック
水で洗い流すか、濡れ雑巾で拭き取る ほぼ完全に落ちます
布類(木綿) 1. 少し熱めのお湯(40-50℃)に汚れた部分を浸す
2. 汚れた部分に洗剤を付け、固めの歯ブラシでこする
3. 1.2.を繰り返し、最後に水ですすぐ
完全には落ちません。
多少色が残ります。
※ 絵の具が乾く前に処理すると比較的容易です。なるべく時間が経たない内に処理してください。



9 変なにおいがする、カビが生えた
絵の具には、でんぷん質のデキストリンや、アラビアガムのなどの食品にも使われる安全な材料を使用しているのでカビが生えることがあります。これらの絵の具には保存料を加えてありますが、添加量を低く抑えておりますので、古くなると腐敗する場合もあります。絞り出した絵の具は早めにご使用ください。また、使い残ったものは再び容器に戻さないようにして下さい。



10.水彩絵の具の歴史

■ 「水彩絵の具の歴史」文責:清水靖子(サクラアートミュージアム主任学芸員)
参考文献:森田恒之著『画材の博物誌』(中央公論美術出版、1986年)、サクラアートミュージアム編『クレパス画事典』(潟Tクラクレパス出版部、2005年)、社史編集会議編『サクラクレパスの七十年』(1991年、潟Tクラクレパス)

顔料を水や固着剤と混ぜて色どりに用いた水彩絵の具のようなのものを考え出したのは紀元前のギリシャの画家だとも言われている。しかし現在、人類最古の絵と見られるラスコーの洞窟画は、数万年前の氷河期に描かれたものです。これは身近にあった墨や土など鉱物質のものを使って描かれていて、絵の具の始まりといえるかもしれません。我が国へは明治になってから輸入され、児童用として使われだしたのは、大正から昭和の初期ころだといわれています。学校の図画教育の中で水彩絵の具が使われだしたのは明治43年です。

今日の私たちが水彩絵の具と呼んでいる透明水彩絵の具、不透明水彩絵の具は18世紀後半から19世紀初頭にかけてヨーロッパで完成されたものです。このヨーロッパを源流とする水彩絵の具が日本に輸入されたのは1887年(明治20)頃のことで、それはケーキと呼ばれる墨のように固めた乾性の固形水彩でした。その二年後には国産の水彩絵の具が製造されるようになりますが、当時のものは皿入りで、日本画に使われていたものの改良品でした。この水彩絵の具が教育用の描画材料として使われるのは、文部省が図画教育を正課として採択した1893年(明治26)からです。チューブ入りの絵の具が輸入されたのは1897年(明治30)頃のことで、1909年(明治42)頃から本格的に国産のチューブ入り水彩絵の具の製造が始まりました。

 日本では昭和初期から、鉛チューブ入りの透明水彩絵の具が小学校高学年向けに商品化されました。しかし、透明水彩絵の具は一度塗った色を最後まで生かした効果が絵具の特性であり、たとえば描き間違えると塗り重ねて修正するということができなかったので、小学生にとってはあまり扱い易いものではありませんでした。そこで、発色を不透明化することによって、塗られた色がその都度自由に修正ができ、子供でも思う通りに作品を仕上げることができる水彩絵の具が開発されました。それが1950年(昭和25)に開発された半透明水彩絵の具でした。

この半透明水彩絵の具は、一般には不透明水彩絵の具として括られて分類されていますが、不透明な不透明水彩絵の具(ガッシュ)やポスターカラーに対して、透明水彩絵の具との中間的なものとして差別化しています。この半透明水彩絵の具は、たっぷりの水で薄く溶いて使えば透明水彩絵の具のように淡い色使いができ、その反対に水を少なくして濃く使えば不透明水彩絵の具のような色彩表現ができます。さらに、描き間違えた個所を塗り重ねてなおすことができるので、失敗を気にしないでのびのびと描けます。以降、学校教材で使われている水彩絵の具は、この半透明水彩絵の具がほとんどです。

 
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