兵庫県姫路市の市埋蔵文化財センターは20日、世界遺産・姫路城の西の玄関口にあたる「備前門(福中門)」の跡から石垣が見つかったと発表した。姫路城で中堀と外堀の間に位置する外曲輪(そとぐるわ)の門跡から石垣が発見されたのは2例目といい、同センターは「城の中心である内曲輪の遺構に匹敵する貴重な成果」としている。
同センターは8月から、現在は駐車場となっている門の跡地約20平方メートルを発掘調査。東西方向に2段分の石積み(幅約2メートル、高さ約80センチ)が見つかり、凝灰岩の石6個が確認された。石は最大で幅約80センチ、高さ約70センチ、奥行きは約80センチあった。
粗い加工を施した石の隙間に小さな石を詰め込む「打込みハギ」と呼ばれる技法と、比較的水平にそろえて石を積む「布積み崩し」の特徴がみられることから、池田家や本多家が姫路を治めた江戸時代初期(17世紀前半)に築かれた可能性もあるという。
備前門は大天守の南西約1・2キロに位置。同センターは「保存状態もよく、門の姿や建築年代を考える上で貴重な発見」としている。
現地説明会は23日午後1時半からで、小雨決行。問い合わせは同センター((電)079・252・3950)。