研究所紹介

沿革
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永田文庫
市河文庫

所長挨拶

慶應義塾大学言語文化研究所は、慶應義塾大学の中で最も古い歴史を持つ研究所の一つです。本研究所の前身である「慶應義塾大学語学研究所」は、西脇順三郎教授の首唱により1942年(昭和17年)に設立され、その後、1962年(昭和37年)に「慶應義塾大学言語文化研究所」と改称し、I東洋の言語および文化、II 西洋の言語および文化、III 言語学、古典学および言語教育法、の三つの分野の研究を目的とする研究機関として新たに発足しました。初代所長には東南アジア史の松本信廣教授が就任し、井筒俊彦教授、辻直四郎教授が専任所員となりました。その後、専任所員の数も増えていき、アジア、ヨーロッパの言語・文化ならびに言語学に関する様々な研究活動を展開して今日に至っています。研究所の場所は、当初の三田第二校舎から第二研究棟(旧萬來舎)に代わりましたが、南館建設に伴い、2012年より現在の南別館にあります。

現在、本研究所は、専任所員7名を中心に、兼担所員19名、兼任所員82名、客員所員1名を擁して、共同研究、個人研究、公募研究などの形で、世界の諸言語の研究、様々な地域、時代の文化・思想の研究、言語学・言語理論の基礎研究を行なっています。これらの研究の成果は、「慶應義塾大学言語文化研究所紀要」(年刊)に載せられるほか、各種報告書が研究所の刊行物として出版されています。さらに毎年、公開講座や言語学コロキアム、イスラム・セミナーなどを通じて研究成果を広く学外に公開しています。その他に本研究所では、13言語の独自の特殊講座を設置しています。今後とも、言語・文化を中心とした先端的研究所として、先人たちの磨き上げてきたリベラルで妥協のない研究環境を守り、時流に阿らない闊達な研究活動を通じて、優れて個性的な研究成果を発信していきたいと考えております。

慶應義塾大学言語文化研究所 所長 粂川 麻里生