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(しま)

 堀田清美の「島」は安芸郡音戸町(現呉市音戸町)を舞台に、原爆の及ぼしたはかり知れない影響を描いた三幕四場の戯曲。昭和32年(1957)劇団「民芸」によって初公演されて話題を呼び、新劇戯曲賞を受賞した。
 被爆の傷を背中一面にとどめている中学教師は、注射を打ちながら教壇に立つ。「未来は絶対に人間のものなんだ」と信じながら・・・・・・。妹を捜して焼け跡を2日間もさまよった。その教え子の母は、夫の事故死のショックに、白血病が追い打ちをかけ「水を・・・ミズ・・・ミズ」とつぶやきながら死ぬ。先生もまた鼻血が止まらなくなり「わしは駄目よ・・・どうせ駄目よ」と結婚をあきらめる。そして清盛祭の夜、母を失った教え子が東京へ去る。「くそっ!生きてみせるぞ」と言い残して・・・・・・・。
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