代表的な窓材の透過率

◆ CaF2(フッ化カルシウム)

天然に蛍石として産出され1250Åの真空紫外から10μに至る赤外領域までのきわめてすぐれた透過性と波長による適当な屈折率変化をもち耐水性、耐薬品性、耐熱性など、化学的、物理的に安定な結晶として、紫外から赤外までの広範囲な領域でのプリズム、レンズ、ウインドウとして用いられます。
フッ化カルシウム結晶は光学用(可視・赤外線用)と、紫外線用(無蛍光性)の2種類があります。赤外線用は0.3μ付近で吸収があります。赤外線用の中でも、エキシマレーザー用窓板・レンズ素材として、無歪み・耐エキシマ性を改良した高品質なものになります。

◆ BaF2(フッ化バリウム)

1500Åの真空紫外から弗化物結晶としては最長の15μmの赤外域までの、広い波長域でのプリズム、ウインドウ、レンズとして用いられます。

◆ ZnSe(セレン化亜鉛)

ZnSeは、可視および赤外線透過材料として適しており、CO2レーザー用の窓のほか、多くの光化学的応用が可能です。CO2レーザーの場合、AR/ARコートを施すことによって透過率約99%も可能です。

◆ MgF2(フッ化マグネシウム)

1100Åの真空紫外から7.5μmの赤外領域までの、波長域でのプリズム、ウインドウとして用いられます。
バンドギャップが広いので工キシマレーザー用窓材として最適です。紫外域での偏光素子としても有用です。また結晶細粒は真空蒸着材料として最適です。

◆ KRS-5(臭沃化タリウム)

KRS‐5は、[臭化タリウム TlBr(45.7%)+ヨウ化タリウム Tll(54.3%)]の組成をもつタリウムハライドの混晶です。 KRS‐5は45μmまでの赤外線を透過し劈開性(へきかいせい)がなく、水に難溶で比較的柔らかいが光学研磨に対して充分な硬度をもっているので、赤外線用のウインドウ、レンズとして、広く用いられます。

◆ LiF(フッ化リチウム)

1050Åの真空紫外から7μmの赤外領域までの透過性をもち、プリズム、ウインドウとして用いられます。
紫外域では、透過性の最もすぐれた物質です。
またX線アナライザー用結晶としても用いられます。

◆ SiO2(光学用合成石英)

この他にも天然の水晶を原料とした溶融石英ガラスもありますが、0.2〜0.25μmに吸収があります。