家電量販店には、なぜか“本店”がいっぱいある。特に全国展開している量販店には、全国いたる所に本店があって、例えば店舗数業界1位のヤマダ電機は、384店舗中63店に本店っていう名前がついてる(2009年2月末時点)。
つまり全体の約16%が“本店”だ。

本店って、一般的な企業でいうところの“本社”とか、ラーメン店でいうところの1号店みたいな存在じゃないんだろうか。それがいっぱいあるって、どういうことなんだろう。家電量販店での“本店”の定義について、ヤマダ電機に話を伺った。

「当社では、特に定義はありません。通常店よりも比較的面積が広かったり、品揃えが豊富であることが多いものの、店によってまちまちです。
都市型店舗をLABI、郊外型店舗をテックランドとしていますが、本店には明確な基準がないんです」

じゃあ、本店にはどんな意味があるの?
「その地域の中核となる店舗、つまり旗艦店として考えています。そのため、必然的に全国各地に本店が置かれることになります」
ヤマダ電機の場合、本店は“地域のリーダー”という感じ。内部的には細かい違いがあるのかもしれないけど、僕ら客側にとって違いはないようだ。

ところでもう一社、全国にたくさんの本店を持つ家電量販店がある。それはケーズデンキ。301店舗中73店が本店(09年2月末時点)で、ヤマダ電機を超える24%が本店の計算になる。
話を伺うと、こちらには旗艦店としての役割のほかに、明確な定義が存在していた。

「本店という名称は、おおむね1000坪以上の店舗に付けています。そのため、本店は比較的大きな店で、その分品数も多く揃えているとお考えください。また当社では、基本的に300坪から1000坪の店舗を“パワフル館”、300坪以下の店舗を通常の“○○店”としております」(※例外として、「東京ベイサイド新浦安」(2500坪)など、本店の名称を使っていない店舗も。これは、近くにある商業施設の名前を店名の一部にしているためで、店名が長くならないようつけられている)

つまりケーズデンキの場合、本店って名前がついてたら “大きな店舗”と判断できる。これはわかりやすい。


ちなみに両社とも、売り上げが伸びたからって通常店から本店に昇格したり、逆に売り上げが落ちたからって本店から通常店に降格することはない。
本社機能があるわけじゃなく、1号店でもない、家電量販店の“本店”。いっぱいあるけど、本店までが店名という程度で考えてればよさそうです。
(イチカワ)