特定秘密保護法案が6日夜の参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。

 これに先立ち、参院本会議では民主党提出の中川雅治国家安全保障特別委員会委員長問責決議案が審議され、民主党会派の福山哲郎議員が趣旨説明を行い、白眞勲議員が賛成討論に立った(写真上は中川委員長問責決議案の趣旨説明を行う福山議員)。

 福山議員は、政府・与党が同日午後に国会延長の方針を発表したことに対し、「延長するなら、なぜ地方公聴会を前日に決めて強引に開催したのか。なぜ、何の瑕疵(かし)もない(民主党の)常任委員長の首をとるのに、明け方の4時まで私たちはつきあわされたのか。なぜ、慎重審議を求める国民の声を無視して、衆院のわずか半分の時間で特別委員会で強行採決したのか」などと述べ、あらゆる先例を無視した政府・自民党のなりふり構わない議会運営に抗議。「いま国会が混乱の極みであるのは、すべて政府・与党の責任」だとして、「こんな運営を主導し、公平性と中立性を忘れ、官邸と国対の言うがまま、一瀉千里(いっしゃせんり)に暴挙を積み重ねてきた中川特別委員長の責任を強く問う」などとその理由を述べた。

白眞勲議員

白眞勲議員

 白議員は、委員長職権での委員会開催決定や野党議員の質問を与党が検閲、誰が答弁すべきかまで判断していたことなどさまざまな問題点を挙げ、「議会制民主主義の危機」「参院の歴史に汚点を残すルール無視の国会運営」「与党の提案のみを受け入れ、反対論はねじ伏せる、まさしく言論統制」などと批判。「中川委員長の職権を濫用した横暴、かつ民主主義のルールを無視した委員会運営に強く抗議し、猛省を強く促し、問責決議案への賛成討論とする」と締めくくった。問責決議案は賛成少数で否決された。

 海江田万里代表は同日夜、民主党など野党議員が反対・退席するなか特定秘密保護法案が参院で可決・成立したのを受けて記者団に、「大変残念で悔しい。私たちもできるだけのことはやったが数の力でこの法案が成立してしまった。去年の総選挙、今年夏の参院選で確かに安倍自民党政権は多くの国民の支持を得たが、その人たちが今度のような暴挙を許すものではないと思っている。民主党は暴走する巨大な自民党に対して今後もしっかりとチェック機能を果たして行かなければならない。これからだ」と力を込め、自民党の横暴を食い止めるべく野党第1党としての役割を果たして行く考えを示した。

 第三者機関の設置の問題など課題が残ったままの成立になった点については、「政府の側からも一部新たな法案を出さなければいけないという話もある。それに対して民主党はしっかりとした対案を出す。これで終わったとは思っていない。かなりひどい法律だが、国民に与える悪い影響を少なくするためにも民主党は努力していく」と表明した。