白泉社「別冊 花とゆめ」で人気を博した立野真琴原作『ホス探へようこそ』のミュージカル化第三弾が上演される。今回は、探偵に憧れていた小林くんが入った探偵事務所兼ホストクラブ「レディ・キラー」の前に、ライバル・黒月率いる「アンチ・アレス」が現れる。ダンスや歌と、謎ときの物語が融合したミュージカルに前回に引き続き出演する大島崚、五十嵐啓輔、北村悠に話を伺った。
――― まず、三人の役について教えてください。三人とも『ザ・セカンド』で演じた役と、今回も同じかと思いますが、演じてみて自分と似ているところなどもありましたか?
大島「僕は小林行という役を演じます。小林くんは、この物語の主人公で、まっすぐで熱い思いを持って探偵事務所を訪ねるんですが、そこがホストと兼業の探偵事務所だったんですね。それで小林くんは、最初のうちはホストをやることに戸惑いを感じていたんですけど、事件を追っていくうちに、ホストと探偵の二つを兼ねているからこそ、解決できることがあるんだということに気づいて成長していくんです」
北村「僕が演じる時雨は、不思議系ホストという肩書を持っています。僕自身も、変わってると言われることが多いので、似ているかなと……」
五十嵐「悠さん(北村)とは、結構長いつきあいなんですけど、プライベートが全く見えてこないんですよ。休みの日に生きてるのかすら分かんない(笑)。家にも行ったことがあるんですけど、ホテルの一室みたいで、生活感もないんですよ」
北村「僕のそんなところを、オーディションでプロデューサーさんに見抜いてもらえたのかもしれないなと(笑)。異色のキャラクターです」
大島「魔力感じますね」
五十嵐「明智はオーナーであり、ナンバーワンホストでもあり、とにかく優しくて求心力もある人です。お店の全体を見る人でもあるので、そこは自分に似てるなと思います。僕、稽古場でみんなが騒いでるのを、一歩引いた場所から『かわいいな』なんて思いながら見てることが多いので、けっこうやりやすかったですね」
大島「ちょっとしたことでも、よく気が付く人だし、今までも舞台で一緒になることが多かったんですけど、ほんとみんなのことをよく見てるんですよ」
五十嵐「なんかありがとうございます! なんなんですかね、姉と妹に挟まれて育ったからかな」
北村「男性チームと女性チームのかけはしになってくれたし」
五十嵐「女性と話すのは本当は緊張するけど、『ホス探』ではがんばってコミュニケーションとってましたね」
――― 稽古はどんな雰囲気でしたか?
大島「一番最初の『The Last Valentine』のときは、稽古期間が短かったんですけど、前回の『ザ・ファースト』のときは、一カ月あったんで、掘り下げる時間がたくさんあって、小林くんをいい感じで演じられてたってけっこう褒めてもらえましたね」
五十嵐「やっぱり、ダンスと歌で恥ずかしいものは見せられないので、その稽古をみっちりやりました。僕はダンスの基礎はやったことがないんですけど、悠さんはアイドルをやっていたので、やっぱりダンスがすごいなと思いましたね」
北村「ライブでは歌ったり踊ったりしてましたけど、ミュージカルは初めてだったので、役になって演技をしながら踊るということに最初は戸惑ってたんですよ。でも、アフターイベントで歌ったり踊ったりするときは、役を外れて思いっきり自分を出してました。ライブをやってた時から見てた人からは、この舞台では別人みたいだったって言われたこともあります」
五十嵐「悠さん、アフターイベントのときは、男っぽいダンスしてましたねー」
大島「僕は、普段K-POPが好きなので、踊るときにはヒップホップっぽくなっちゃうんですよ。でも、『ホス探』ではダンス曲とかもあるので、踊るのが楽しかったですね」
五十嵐「活き活きしてましたよ。パラパラの時も、すごい元気で。僕も元気に踊りたかったんですけど、明智がクールな役柄ってことで、抑えて踊ってました」
――― 8月からの『ザ・セカンド』では、どんなところを見てほしいですか?
大島「『ザ・セカンド』では、明智の因縁のライバルである『アンチアレス』というホストクラブの黒月との関係性が描かれます。ライバルとのせめぎ合いのシーンでのダンスバトルも見ものになるんじゃないかなと思います」
北村「あと、会場がライブハウスなので、観客の皆さんと一体感が出せたらいいなと思いますね。最近、映画館でもペンライトを振って応援したりとかってありますよね」
――― 『KING OF PRISM by PrettyRhythm(キンプリ)』の応援上映ですね。
北村「そうです、あんな感じでこのミュージカルを楽しめたらいいんじゃないかなって思っています」
五十嵐「YOUTUBEに曲も配信されるので、それを聞いてきてもらうと、また楽しいかもしれませんね。あと、このミュージカルは、来てくれた人を幸せにするというのがテーマなんです。だから、絶対に幸せな気分になってもらえることを保証しますので、ぜひ遊びにきてください」
大島「それに、一回目に来てないからといって心配しないで大丈夫です。ちゃんと初めて見ても楽しめるように作っています。僕らも前回よりも良い舞台を作れるように、ダンス、歌、お芝居をもっと深く楽しく伝えられるように技術を上げていきますので、楽しみにしていてください」
(取材・文&撮影:西森路代)