モハメド・アリ氏死去 死因は敗血症と遺族明かす
4日に74歳で死去したプロボクシングの元ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリ氏の遺族は、同氏の死因が敗血症だったと明らかにした。
遺族は、アリ氏の死因が「敗血症性ショックによる特定されない自然死」だったと述べた。アリ氏は過去32年間、パーキンソン病と闘っていた。
米アリゾナ州のモハメド・アリ・パーキンソン・センターの理事、エイブラハム・リーバーマン氏は、「最後の1週間は特に大変だった」と述べた。リーバーマン氏は亡くなる数時間前のアリ氏と面会している。
「神に呼ばれているのは明らかで、私たちはそれを受け入れた」
リーバーマン氏は、BBCラジオ5に対し、「みんな頭の片隅では、悪いことになるという予想はしていた。でもいつも逆境に打ち勝つ人なので、今度もそうだといつものように期待していた。彼は普通の人間ではないから」と語った。
「信念に従い、正しいと思うことを主張する人だった。地位の低い人からものすごい有名人まで、全ての人に平等に接した。公平だった」。「リング上の時と比べて、リングから降りた彼は、信じられないくらい良い人だった。素晴らしい友人を失った」。
リーバーマン氏は、ボクシングだけがアリ氏の病気の原因だという意見を否定。「普通は拳闘家認知症になると3、4年以内に死亡する。彼はパーキンソン病と30年以上闘っていた」と述べた。
「最初は脳の片方で始まった。磁気共鳴画像化装置(MRI)検査では脳の状態は比較的良好だった。ボクシングは関係はないとは言えないが通常のパーキンソン病を患っていたのだと思う」
リーバーマン氏は、アリ氏が何年も前に老人ホームを訪れた際に、ある男性がアリ氏を、別の有名なボクシング選手ジョー・ルイスと勘違いした逸話に触れた。
「モハメドは『ジョー・ルイスに会えたと、あの老人が喜ぶんだったら、俺はルイスだ』と言っていた。モハメドがどんな人だったかをよく物語っている。強烈な個性の持ち主だったが、とても優しい人だった。他人に対するとてつもない同情心があった」
アリ氏の闘病生活を通じて、家族の支えがあったとリーバーマン氏は話す。
「パーキンソン病が悪くなった時も、彼を大切にし、生活の質をできるだけ良く保とうと努力する献身的な家族がいた」と話した。
アリ氏と2回対戦した元ボクシング選手のジョー・バグナー氏(66)は、「ボクシング界で最も近しい友達のひとり」だと話し、「彼は独特だった。非常に偉大なボクサー、運動選手だっただけでなく、とても頭が良くて、言葉で彼をやり込めることは誰にもできなかった」と語った。