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普天間問題全国知事会 首相と出席知事の主なやりとり

2010年5月27日21時7分

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 27日に開かれた全国知事会議での鳩山由紀夫首相と出席知事らの主なやりとりは次の通り。

     ◇

 鳩山首相 沖縄県内に普天間の移設先を見いださざるをえないことになった。沖縄の過重な負担をどのように知事の皆さんに手伝いをお願いできるか。普天間の訓練の一部を沖縄県外に移すことが可能かどうか。日本の安全保障を国民の大きな問題ととらえ、皆さんのふるさとで「こういったところだったら受け入れ可能だぞ」という話をしてもらえればありがたい。

 仲井真弘多・沖縄県知事 沖縄県が、日本国民として負うべき応分の基地負担をはるかに超えているというのが実感だ。負担を大幅に減らしてもらいたいというのが県民の切なる願いで、鳩山内閣にも強く申し入れている。

 松沢成文・神奈川県知事 首相として、国の安全保障をどう考えているのか。

 首相 国の平和、安全は基本的には自分たちで担わなければいけない。その方向にリードしていくのが為政者の役割だ。ただ、日米安全保障という、この国の守りの一端を米国が補う状況になった。現時点で米軍のプレゼンス(存在)が必要な以上、自衛隊を増強して米軍のプレゼンスを減らす状況になっていない。

 湯崎英彦・広島県知事 県境に米軍岩国基地(山口県)があり、広島県内で低空飛行訓練が行われている。中止を申し入れてもなしのつぶてだ。全国に負担をお願いするなら、安全・安心に対応してほしい。

 広瀬勝貞・大分県知事 全国に負担をお願いしようというとき、米軍兵士による不祥事について何の手当てもせず、全国に米軍の訓練をばらまくのか。

 谷本正憲・石川県知事 米軍嘉手納基地を含めた訓練の分散移転を受け入れた。「約束は果たした」というのが地元の理解だ。

 三村申吾・青森県知事 すでに大きな負担を負っている。現状を超える基地機能の強化は容認できない。

 首相 分散移転の努力に感謝しているが、今でも沖縄県が過重な負担を担っていることも事実だ。さらに訓練移設などに協力を願えればありがたい。

 森田健作・千葉県知事 なぜ今、全国の知事を招集したのか。普天間問題は爆発して、大変な状態だ。今回知事を集めること自体が、全国に火の粉を分散する。

 首相 この時だからこそ集まってもらった。「訓練を今すぐ(受け入れてほしい)」とは言わないが、将来的に引き受けてやるという気持ちを示してもらうことが、普天間の火の粉を消していくことに役立つ。

 高橋はるみ・北海道知事 「都道府県から手を挙げよ」という方が無理だ。米国とも十分に議論し、まずは国から個別、具体的な提案があるのが大前提だ。

 首相 今日すぐに理解してもらえるとは思っていない。今後、具体的に政府から提案していきたい。

 橋下徹・大阪府知事 沖縄県などの犠牲の上に、大阪府民は安全をタダ乗りしている。普天間問題がクローズアップされ、チャンスだ。小学校の子どもですら、この問題を考えるようになった。ただ、自治体が動いても、米国からダメだと言われると動けない。2006年の米軍再編のロードマップを履行し、政府が第2段階の基地負担軽減というときに話を振ってもらえれば、できる限りのことはする。必要があれば、沖縄のみなさんにお願いをしに行き、大阪府民として申し訳ございませんと言いたい。

 首相 温かい気持ちに感謝する。積極的な発想で、協力を将来的にしてもらえればありがたい。

 伊藤祐一郎・鹿児島県知事 政府がどういう方針で進めるか全くわからない段階で、首相が表明した徳之島の島民のほとんどが反対という状況だけはお伝えしたい。

 首相 訓練の移転先の一つとして徳之島という地域を挙げ、日米両政府で議論を詰めている。将来的なことだ。

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