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赤福に続き「御福餅」、表示不正の疑い 農水省が調査

2007年10月30日11時48分

 三重県伊勢市の和菓子メーカー「御福餅本家」の商品、御福餅の表示に不正があった疑いがあるとして、農林水産省東海農政局と県伊勢保健所は29日、同社本社に立ち入り調査に入った。30日も調査を続けている。同社からの自主申告に基づき、食品の表示にかかわる日本農林規格(JAS)法違反と食品衛生法違反の疑いで調べている。

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販売の自粛を伝える張り紙。27日から張り出されているという=名古屋市中村区の地下街「エスカ」の土産物店で

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御福餅

 同省などによると、(1)製造日と消費期限を1日先延ばしして表示する「先付け」(2)原材料の表示順が事実と違っていた――などの不正行為の解明が目的という。

 同省などは、先付けした消費期限が、安全に食べられる期限として同社が設定した日を超えていたか調べている。午後に製造した餅は、日常的に翌日の日付を刻印して出荷しており、遅くとも小橋正生社長が就任した80年にはこうした行為が続けられていたという。

 御福餅の包装紙に印刷された原材料表記は「小豆、砂糖、餅米、酵素、保存料(ソルビン酸K)」の順。同省によると、重量順に記載することが義務づけられており、御福餅の場合、本来は「砂糖、小豆、……」でなければならない。

 餅菓子の表示をめぐっては、同市内の老舗(しにせ)「赤福」でも製造日の偽装などが明らかになっている。同省などによると、御福餅本家の小橋社長が26日夜、原材料の表示順に誤りがあったと三重農政事務所に自主申告して問題が発覚したという。伊勢保健所には29日午後、小橋社長が訪れ、「世間をにぎわせている一連のことがあり、相談に来た」と話したという。

 御福餅本家は伊勢市を中心に餅菓子や期間限定のアイスキャンディーを製造販売している。同社のホームページによると「創業200有余年」がうたい文句。赤福餅に形状がよく似ていると言われていることから、赤福の偽装問題発覚後に話題を呼び、土産店などで売り切れが相次いでいた。

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