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ワンストップ・サービス試行開始 失業者支援を一括対応

2009年11月30日12時22分

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写真ハローワークの「ワンストップ・サービス・デイ」を視察する菅直人国家戦略・経済財政相(右)、中央は湯浅誠・内閣府参与=30日午前、東京都渋谷区、池田良撮影

 失業者を対象に、就職と生活の支援を一括して行う「ワンストップ・サービス」の試行が30日午前、17都道府県のハローワーク77カ所で始まった。昨冬のような「年越し派遣村」の再来を防ごうと、政府が打ち出した失業者対策の目玉。試行は30日のみで、厚生労働省は試行の結果をもとに、年末年始の実施や定例化を検討する。

 東京都文京区のハローワーク飯田橋では、住宅手当や生活保護の相談に応じる区役所職員や、生活資金の貸付制度を担当する社会福祉協議会の職員、多重債務の相談を受ける弁護士、心の健康相談にのる保健所職員らが同じ会議室に机を並べた。

 午前9時の受け付け開始直後に訪れた男性(62)は、「家も仕事もなく、新宿の漫画喫茶に寝泊まりしている」と相談。ハローワーク職員が、区役所と社会福祉協議会の窓口に案内した。

 男性は「今朝、テレビで(ワンストップ・サービスを)知って、新宿から電車で来た。建設業の日雇いで働いているが、仕事がなく厳しい。仕事と住宅の問題に1カ所で対応してくれるのはすばらしい」と話した。

 雇用情勢の悪化を受け、厚労省は住宅手当や生活資金の貸付制度など「第2の安全網」を10月までに整備。だが窓口がハローワーク、自治体、社会福祉協議会に分かれており、「必要な人がサービスにたどり着けない」とワンストップの取り組みが求められていた。

     ◇

 大阪市北区のハローワーク梅田は午前10時に窓口を開いた。

 訪れた男性(60)は「体調が悪く、就職活動もできないので生活支援の相談をした。ただ、今から市役所の窓口でもう一度説明するよう言われた。ワンストップと聞いていたのに……」。別の男性(52)は「近所の目があるから、役所には相談しにくい。ここなら就職活動として来られます」と話した。

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 名古屋市中村区の「ハローワーク名古屋中」では、1階会議室に相談窓口が置かれた。名古屋市役所や同市社会福祉協議会、愛知労働局などの職員約30人が各テーブルに着席。相談者は受付でチェックシートに記入した後、生活保護や住宅手当などの相談に乗る各コーナーに振り分けられた。

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 九州・山口、沖縄での試行は福岡県の2カ所。福岡市のハローワークプラザ福岡では県や市、社会福祉協議会の職員らも待機し、職業紹介や生活保護、住宅手当、生活資金貸付、多重債務など10ブースに分かれて相談に応じた。

 午前9時半の開所直後に訪れた市内の男性(52)は身体障害者で自動車免許もなく、仕事が見つからないという。「生活保護の相談が中心。仕事のほか一度にいろんな相談が出来るのはありがたい」

 北九州市のハローワーク小倉でも相談者が次々訪れた。求職中という市内の男性(49)は「家のローンで相談した。一カ所なのは便利だが、後ろで待っている人もいてじっくり相談できなかった」。

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