【2月5日 AFP】(一部更新)アラブ首長国連邦(UAE)が、昨年12月にヨルダン人パイロットがイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に拘束された直後に、米国主導の有志連合がシリアで実施している対イスラム国の空爆作戦への参加を停止していたことが、米政府関係者への取材により4日、明らかになった。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた米政府関係者によると、後にイスラム国によって殺害されたヨルダン人パイロットのモアズ・カサスベ(Maaz al-Kassasbeh)中尉が拘束された直後から、UAEは空爆への参加を中止していた。一方で同関係者は、UAEが現在も米空軍に対し重要な空軍基地の利用を認めているほか、有志連合によるその他の活動への支援を続けていると強調した。

 UAEの決断は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によって最初に報じられた。

 イスラム国は今月3日、カサスベ中尉を焼殺する場面を写した動画を公開している。米当局者らによると、UAEは自国の空軍パイロットらの身の安全に対する不安から、米政府に同地域での捜索・救出態勢についての懸念を伝えた。

 UAE側は、戦闘機が墜落した場合に備え、米軍がティルトローター輸送機V22オスプレイ(Osprey)をクウェートではなくイラク北部に派遣することを提案。ニューヨーク・タイムズ紙によると、UAEはオスプレイがイラク北部に派遣されるまで空爆への参加を停止する方針を示唆しているという。

 オスプレイはヘリコプターのように離陸することができ、航空機の速度で飛行できることから、救出作戦に利用されている。(c)AFP
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