【12月12日 AFP】中国南部から北部へ水を運び、北京(Beijing)と周辺の水資源不足を緩和しようという大規模プロジェクト「南水北調工程(South-North Water Diversion、略称:南水北調)」の最初の送水が12日、始まった。当局高官が語った。

 南水北調の「中央ルート」は、中国中部から北京と周辺に水を運ぶ水路。匿名を条件に国務院南水北調工程建設委員会の高官がAFPの取材に、水路への「送水は本日正式に始まる」と語った。

 中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)によると、黄河(Yellow River)からの供給水量の6分の1にあたる年間95億立方メートルの水が、湖北(Hubei)省・丹江口(Danjiangkou)の貯水池から北部へと流れる。

 中央ルートのパイプライン、運河、水路の総延長は1400キロ以上。当局高官によれば最初の送水は北京まで約15日で到達する見込みという。

 中国の報道によれば、中央ルートの総工費は330億ドル(約4兆円)近くがかかり、建設には11年かかった。また住民ら33万人が移転を強いられた。(c)AFP