【9月6日 AFP】国連(UN)制裁下にもかかわらず、中国の企業がリビアのムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐派に大量の武器を売るための秘密交渉を行っていたことを示す文書が見つかったことについて、リビア暫定政府は5日、調査を行っていると明らかにした。

 この文書は、カナダ紙グローブ・アンド・メール(Globe and Mail)が公開したもの。カダフィ政権が崩壊寸前だった7月下旬に、中国国営軍事関連企業が少なくとも2億ドル(約150億円)相当の武器と弾薬をカダフィ政権に売却しようとしていたことを示す内容だという。

 国民評議会軍事部門のアブドルラーマン・ブシン(Abdulrahman Busin)報道官はAFPの取材に、「これらの文書が本物である可能性は非常に高い」と語り、調査を続けつつ法的助言を求めているところだと語った。「すべての証拠を精査中だ。法律専門家チームもこの問題で分析を行っており、彼らは彼らの発見に基づいてその後の行動をとることになる」

 一方、中国側は売却交渉を否定している。

 中国外務省の姜瑜(Jiang Yu)報道官は、リビア高官が7月、中国政府に通知することなく中国を訪れて「関心のある企業」と接触したと説明。さらに、「中国企業はリビアに直接的にも間接的にも軍事製品を提供していない。武器売却契約も交わしておらず、リビアに軍事製品を輸出してもいない」と武器売却疑惑を否定した。

 この疑惑は、すでに良好ではない新生リビアと中国との関係をいっそう悪化させるおそれがある。リビアの内戦中、中国は国民評議会を全面的に承認することはせず、北大西洋条約機構(NATO)による反カダフィ派支援の軍事作戦にも反対していた。(c)AFP/Andrew Beatty

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