【1月6日 AFP】軽度から中程度のうつ病には、抗うつ薬治療はほとんど効果がなく、別の治療をした方が良いとの研究結果が、5日の米内科学会誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)」に発表された。

 米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)のジェイ・フルニエ(Jay Fournier)氏の研究チームは、一般的に処方される抗うつ薬(ADM)と偽薬(プラセボ)の治療効果の比較のため、ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Depression Rating Scale)で重度から軽度のうつ病と評価された成人718人を対象に6つの研究を実施した。

 研究の結果、抗うつ薬は、症状の重篤度に応じて、効果が大幅に変わることが分かった。

 JAMAに掲載された論文によれば、非常に重度の症状を伴った患者には大きな効果があった一方で、軽度から中程度、重度のうつ病に対して、抗うつ薬治療の効果はまったくないかごくわずかだった。

 論文は、抗うつ剤に対する研究の大半が重度のうつ病患者に対する治療効果を調べるものであり、重度以下のうつ病治療に対する効果を証明するためには証拠が十分でないと述べた。(c)AFP