【4月3日 AFP】米国のジャネット・ナポリターノ(Janet Napolitano)国土安全保障長官は2日、米国に到着する旅客機の乗客に対する新しい検査体制を導入すると発表した。

 前年12月に発生した米ノースウエスト(Northwest Airlines)機爆破未遂事件を受け、米国土安全保障省(US Department of Homeland Security)は3か月かけて保安規定を見直してきた。中でも空の旅における安全対策を大幅に強化する。
 
 脅威に関するリアルタイムの情報と到着客の特徴を照合し、ふたつが一致する程度によって検査対象人物を選別するほか、爆発物検知、最新の画像処理技術、イヌを使った検査、身体検査などの方法も活用する。

 米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)によると、現在使われている渡航禁止人物のリストは今後も使用するが、相互参照できる情報でこれを補完し、リストに氏名が掲載されていなくてもさらに詳細に審査する場合の判断材料とする。渡航禁止人物リストと突き合わせて参照する情報には、国籍、年齢、最近訪れた国や氏名の一部などが含まれる。

 現在は主にイスラム教国の14か国から空路で米国入りする全員に特に詳細な入国審査を義務づけているが、こちらは新方式と置き替える形で廃止される。

 前年のクリスマスに起きたノースウエスト機爆破未遂事件では、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)から米ミシガン(Michigan)州デトロイト(Detroit)に向かっていたノースウエスト機に、事前に米情報当局に情報が寄せられていたナイジェリア人のウマル・ファルーク・アブドルムタラブ(Umar Farouk Abdulmutallab)容疑者が、下着の中に爆発物を隠し持って搭乗するのを防げなかった。(c)AFP/Jim Mannion