第17回公判の概要



意見陳述書 概略 (pdf ファイル)



闇サイト殺人:3被告に死刑求刑…名古屋地裁公判

 09年1月20日(毎日新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵(いそがいりえ)さん(当時31歳)が07年8月、拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた闇サイト仲間の3被告の論告求刑公判が20日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であった。検察側は「無差別に被害者を拉致・殺害し、いつ誰でも同じような被害に遭うかもしれないと体感治安を悪化させ、世間を震撼(しんかん)させた」として3被告全員に死刑を求刑した。弁護側の最終弁論は2月2日、判決は3月18日の予定。

 求刑されたのは▽住所不定、無職、川岸健治(42)▽名古屋市東区、同、堀慶末(よしとも)(33)▽愛知県豊明市、同、神田司(37)の3被告。

 検察側は論告で「3人の間では当初から(金を奪う相手を)拉致・殺害するとの合意形成ができていた」と主張した。また「(磯谷さんの)預金の払い戻しに失敗すると、すぐに別の強盗殺人を計画しており、犯罪性向と反社会性は根深い」と指摘。川岸被告の自首についても「心からの反省はなく、刑を軽減する根拠を欠く」と主張した。

 また闇サイトを悪用した犯罪について「共犯者が集まりやすく、共犯者同士が個人情報を秘匿するため、犯行発覚が困難になる。模倣性も強く、軽い処罰は人命軽視の風潮を助長する恐れがある」と指摘した。

 これまでの公判で弁護側は殺害について「直前まで殺すつもりはなく、互いに虚勢を張るうち、計画がエスカレートしていった」などと主張している。

 起訴状は、3被告が07年8月24日夜、名古屋市千種区内の路上で帰宅途中の磯谷さんを車内に連れ込み、25日午前1時ごろ、愛知県愛西市内の駐車場で磯谷さんの頭を金づちで殴り、首を絞めるなどして殺害。現金約6万2000円などが入ったバッグを奪ったとしている。

 論告に先立ち、利恵さんの母富美子さん(57)が「最愛の宝物の娘の命を奪われ、生きがいを見いだせなくなりました。3被告は命をもって償ってください」と意見陳述した。

 ◇計画性を否定…「主導役」も焦点
 これまでの公判で3被告はいずれも殺害の計画性を否定しており、大きな争点となっている。ただ、それぞれの主張には食い違いもある。

 殺害のきっかけについて、堀被告は「神田被告が突然『首を絞めます』と言った」、神田被告は「堀被告に『もうやっちゃいましょうか』と提案された」と主張。また川岸被告は「たばこを吸い終わり車に戻ったら2人が磯谷さんの首を絞めており、やむを得ず加わった」と主張しているが、堀、神田両被告は「川岸被告は車内にいた」と異なる証言をしている。

 誰が主導的役割を果たしたかも焦点の一つ。川岸被告は「首謀者は闇サイトで呼びかけた自分だが、3人は同格」と主張。神田被告も「分け前も平等で同格だった」と述べた。だが、堀被告は「神田被告が、(立場が)上だった。何をするにも神田被告が話を進めていた」と主張している。

  互いの証言を巡っては、法廷で神田被告が川岸被告をにらみつけたり、川岸被告が他の2人に「お前らのおかげで人殺しになった」と声を荒らげる場面もあった。



「闇サイト事件」で拉致殺害の3被告全員に死刑求

 09年1月20日(産経新聞・記事抜粋)


名古屋市の会社員、磯谷利恵さん=当時(31)=が、インターネットのサイトで知り合った3人組に平成19年8月に拉致、殺害された闇サイト事件で、強盗殺人や逮捕監禁などの罪に問われた元新聞セールススタッフ、神田司(37)、無職の堀慶末(33)、無職の川岸健治(42)の3被告の論告求刑公判が20日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。

 検察側は「社会全体を震撼(しんかん)させた凶悪、重大な犯罪」と被告全員に死刑を求刑した。

  論告で検察側は「地獄の苦しみを被害者に与えた鬼畜の所業。金銭を得ようとした低劣な動機に酌量の余地はない」と述べた。判決は3月18日に予定されている。論告に先立ち、磯谷さんの母、富美子さん(57)が「時間は止まったまま。娘は心の中で生きている。命で償ってください」と意見陳述した。



利恵さん母「命で償って」 法廷で涙の陳述

 09年1月20日(中日新聞・記事抜粋)


 インターネットの闇サイトで集まった男たちに殺された名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=の母富美子さん(57)は、20日行われた名古屋地裁での論告求刑公判で、被害者の遺族として意見陳述し、「凶悪な罪を犯した意識や償いの気持ちは感じられない。3人には命をもって償ってほしい」と、死刑を望む気持ちを訴えた。

 「どれほど怖い思いをしても、最後まで生きることをあきらめなかった利恵ちゃんを誇りに思う。お父さんと一緒にお母さんを見守っていてください。いつか、笑って会える日が来ることを楽しみにしています」

 検察の死刑求刑前に行われた意見陳述。富美子さんは、利恵さんへのメッセージをしたためた文書を読み上げた。3被告の視線を受けながら証言台に立った富美子さんは「女手一つで育ててきたたった一人の娘を奪われたまま、私の時間は止まっている」と利恵さんが殺害された現実を受け止められない心情を吐露した。

 「一緒に暮らした家のそこかしこに思い出があふれている。利恵ちゃんは私の心の中に生き続けているが、二度と話すことはできない」。富美子さんの涙声が法廷に響くと、すすり泣く傍聴者の姿も見られた。

 利恵さんは生前、「お母さんは天真らんまんで子供みたい」と話していた。富美子さんは「事件で一変した今の生活は、娘には想像もできないでしょう。家に一人でいると、えたいの知れない恐怖を感じる。娘と一緒に私も殺されたのです」と今も苛まれる苦しみを訴えた。

 3被告に対しては、これまでの法廷で明らかになった殺害の態様や公判での態度に触れ、「反省の態度や償いの気持ちは口先だけで、矯正の余地は見いだせない」と話した。

 意見陳述は20分ほどで終わり、神田司(37)、川岸健治(42)両被告はじっと富美子さんを見ていた。

  富美子さんは続いて行われた検察の求刑時には、検察官の声を聞きながら終始うつむきすすり泣いた。



闇サイト殺人事件、3被告に死刑求刑

 09年1月20日(朝日新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん(当時31)を拉致、殺害したとして強盗殺人などの罪に問われた3被告の論告求刑公判が20日、名古屋地裁であった。検察側は「犯行は社会全体に衝撃を与えた。3被告の罪責はひとしく、誠に重大で、極刑をもって臨むほかない」と述べ、3被告に死刑を求刑した。

 起訴されているのは、愛知県豊明市、元新聞セールススタッフ神田司(37)▽名古屋市東区、無職堀慶末(33)▽住所不定、無職川岸健治(42)の3被告。

 論告で検察側は「一面識もなかった被告らが闇サイトで知り合い、短期間のうちに凶悪重大犯罪を行った」と指摘。「金目当ての残虐な犯行で、殺害被害者が1名であっても、死刑を選択すべきだ」と述べた。これに先立つ被害者遺族の意見陳述で、磯谷さんの母富美子さんが被告を1人ずつ名指しし、「償いは命でしてください」と訴えた。

 これまでの公判で被告側は、闇サイトで知り合ったばかりの3人が、互いに自分を大きく見せようと虚勢を張り合った結果、犯行に至ったとして、計画性はなかったと主張している。来月2日に結審する予定。

 起訴状によると、3被告は07年8月24日深夜から同25日未明にかけて、帰宅中の磯谷さんを車で拉致して現金約6万2千円などを奪ったうえ、同県愛西市内の駐車場に止めた車中で、顔に粘着テープを巻き付けてポリ袋をかぶせて、ロープで首を絞めるなどして殺害。遺体を岐阜県瑞浪市内の山林に遺棄したとされる。



3被告全員に死刑求刑 名古屋の闇サイト殺人

 09年1月20日(共同通信・記事抜粋)


 インターネットのサイトで知り合った3人組が2007年8月に、名古屋市の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=を拉致、殺害した闇サイト事件で、強盗殺人や逮捕監禁などの罪に問われた元新聞セールススタッフ神田司(37)、無職堀慶末(33)、無職川岸健治(42)の3被告の論告求刑公判が20日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。

 検察側は「社会全体を震撼させた凶悪、重大な犯罪」と被告全員に死刑を求刑した。

 論告で検察側は「地獄の苦しみを被害者に与えた鬼畜の所業。金銭を得ようとした低劣な動機に酌量の余地はない」と述べた。判決は3月18日に予定されている。

 論告に先立ち、磯谷さんの母富美子さん(57)が「時間は止まったまま。娘は心の中で生きている。命で償ってください」と意見陳述した。

  論告などによると、3被告はサイト「闇の職業安定所」で知り合い、07年8月24日深夜、名古屋市千種区の路上で帰宅中の磯谷さんを車内に拉致し監禁。現金などを奪い25日未明、愛知県愛西市の駐車場で、金づちで何度も殴った上、ロープで絞殺し、岐阜県瑞浪市の山林に遺体を捨てた。



3被告に死刑求刑=被害者の母「命で償って」−女性拉致殺害

 09年1月20日(時事通信・記事抜粋)


 名古屋市千種区で2007年8月、帰宅途中の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が拉致された上、殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた元新聞販売員神田司被告(37)ら3人に対する論告求刑公判が20日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であり、検察側は3被告全員に死刑を求刑した。
 検察側は論告で「金欲しさに殺害もちゅうちょしておらず、普通の人間では到底まねができない冷酷非道な犯行。長時間脅迫を受けた末、殺害された被害者の無念さや直面した恐怖は計り知れない」と述べた。
 さらに「顔面に粘着テープを巻き付け、ハンマーで数十回殴るなど、言葉では言い尽くせない地獄の苦しみを与えた」とも指摘した。
  求刑に先立ち、磯谷さんの母富美子さん(57)も意見陳述し、「命で償ってください。遺族は死刑を望んでいます」などと訴えた。



名古屋の闇サイト殺人、3被告に死刑求刑

 09年1月20日(読売新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区の契約社員磯谷(いそがい)利恵さん(当時31歳)を拉致、殺害したとして強盗殺人罪などに問われた3被告の論告求刑が20日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であった。

 検察側は「社会全体を恐怖で震撼(しんかん)させた、人命を顧みない冷酷非道な犯行で、極刑をもって臨むほかない」と述べ、3被告にいずれも死刑を求刑した。2月2日に弁護側の最終弁論が行われて結審し、3月18日に判決が言い渡される。

 死刑を求刑されたのは、住所不定、無職川岸健治(42)、愛知県豊明市、元新聞セールススタッフ神田司(37)、名古屋市東区、無職堀慶末(よしとも)(33)の3被告。弁護側は大筋で起訴事実を認めているが、「犯行は計画的ではない」などと主張している。検察側は論告で、「金もうけを目的としてインターネットの闇サイトを利用して集まった3被告が、殺害を認容する話し合いをして、計画を立て実行した」と主張。「恐怖と絶望の中で絶命した磯谷さんの無念の思いは言い尽くすことは出来ない」と述べた。論告に先だって磯谷さんの母・富美子さん(57)が「娘は何も聞いてもらえず殺されました。3被告には極刑を望みます」と意見陳述した。

 論告によると、3被告は2007年8月24日深夜、同市千種区の路上で帰宅中の磯谷さんを車に拉致し、現金やカードを奪い、愛知県愛西市の駐車場で、ハンマーで何度も殴ったうえ絞殺。遺体を岐阜県瑞浪市の山林に遺棄した。25日午後、川岸被告が自首し、事件が発覚した。



闇サイト殺人、3被告に死刑求刑 公判で検察側

 09年1月20日(日経新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区で2007年8月、女性会社員の磯谷利恵さん(当時31)が拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた3被告の公判が20日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。検察側は「人間性のかけらもない残虐極まりない、社会全体を震撼(しんかん)させた凶悪犯罪。刑事責任はあまりに重大」と述べ、3被告に死刑を求刑した。

 同事件の公判は2月2日、弁護側の最終弁論などを経て、結審。判決は3月18日に言い渡される。

  死刑を求刑されたのは、元新聞セールススタッフ、神田司被告(37)、無職、堀慶末被告(33)、無職、川岸健治被告(42)。