抗ウイルス作用があるのはインターフェロンαとβですので、この2種類を軸にして医薬品が開発されました。
C型肝炎に使われる医薬インターフェロンを作るには2つの方法があり、それぞれ遺伝子 組み換え型、天然型と呼ばれています。この2つを軸にして研究、開発が進められているのです。
遺伝子組み換え型インターフェロン
約20種類のサブタイプの組み合わせで成り立っている自己インターフェロンαの中から一つのサブタイプを選び、その遺伝子を大腸菌に組み込んで作らせる方法です。このような方法で作られた医薬インターフェロンを遺伝子組み換え型といい、2種類作られました。自己インターフェロンαの中の2aというサブタイプのみを使用したものをインターフェロンα―2aといい、同様に2bというサブタイプのみを使用したものをインターフェロンα―2bといいます。
天然型インターフェロン
天然型はハムスターの体内にヒトの細胞を埋め込んで、その細胞にC型肝炎ウイルスの遺伝子を組み込んだセンダイウイルスを感染させることにより、インターフェロンを産生させるという方法で作られます。
インターフェロン単独治療において、この天然型インターフェロンは遺伝子組み換え型よりも副作用が少なく効果が高いという結果が出ています。現在、天然型インターフェロンはαとβの2種類が作られています。
ペグインターフェロン
従来の遺伝子組み換え型インターフェロンにポリエチレングリコール(PEG)を結合させて、それを血液の中に長居させることで効果を上げようと作ったものです。このペグインターフェロンという製剤は、従来の遺伝子組み換え型インターフェロンを利用しているのでα―2aとα―2bの2種類あります。
治療は、週1回の投与で48週間続けることになります。参考までに海外では、投与終了後のC型肝炎ウイルスの再出現率が高いという結果が出ています。
コンセンサスインターフェロン(CIFN)
約20種類ある自己インターフェロンαのサブタイプのうち13種類の中から、各々抗ウイルス作用が高いと予測される部分をピックアップします。その部分に新しくアミノ酸を合成して遺伝子を作り出し、それを大腸菌に組み込んで作らせました。しかし効果がそれほど出ないため、インターフェロン治療において主力にはなりませんでした。