2010年12月27日11時30分
金星を回る軌道への投入に失敗した探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構は27日、エンジンの異常燃焼や噴射口破損の原因として、燃料の逆流を防ぐための逆流防止弁の詰まりが根本的な原因だったと明らかにした。文部科学省で開かれた宇宙開発委員会の調査部会で報告した。
報告によると、逆流防止弁は燃料を供給するパイプに取り付けられていた。燃料と酸化剤は混ぜるだけで燃焼するため、逆流すると機体の内部で爆発しかねないためだ。
しかし、今回はこの逆流防止弁が完全に詰まったか、流れが悪くなった。エンジンに供給される燃料が少なくなり、想定以上の発熱で噴射口が壊れたり、燃え残った燃料が噴射口の出口で爆発したりして、機体の姿勢が傾いたと考えられるという。今後、地上で再現試験をするなどして実際にどんなつまり方をしたのか確かめる。