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コーヴの太地町、シー・シェパードと意見交換

記者の質問に答えるリチャード・オバリーさん(中央、和歌山県太地町で)

 イルカ漁を批判的に描いて米アカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」の舞台となった和歌山県太地町で2日、漁に反対する「シー・シェパード」などの反捕鯨団体と地元側の意見交換会が開かれた。反捕鯨側と地元側が同町で公式に対話するのは初めて。

 交換会にはシー・シェパードのメンバー2人など計三つの反捕鯨団体が参加。地元側は、三軒一高(さんげんかずたか)町長や同町漁協の幹部が出席。シー・シェパードは「伝統だからといって、正しいわけではない」とし、イルカ漁を取りやめるように訴えた。これに対し、地元側から出席した太地町の漁野(りょうの)伸一副町長は「食文化や風習を尊重し合うべきだ」と反論し漁の正当性を主張した。

 反捕鯨団体側はこれまで、太地町側に面会を申し入れていたが、町側は再三にわたり拒否していた。このため、民間団体が両者の間に入る形で意見交換会が実現した。

 イルカを湾に追い込んで漁をする「追い込み漁」で知られる同町では、シー・シェパードのメンバーが9月以降、同町に滞在して抗議活動を続行。先月中旬には、立ち入り禁止区域に侵入して和歌山県警から厳重注意を受けた。9月末にはイルカを飼育するいけすの網が切断される被害があり、別の団体が犯行声明を発表しており、同県警が器物損壊容疑などで捜査している。

 「ザ・コーヴ」に出演したリチャード・オバリー氏は会場には現れたが、交換会には出席しなかった。

2010年11月2日13時11分  読売新聞)
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