女性バラバラ殺害:星島被告に2審も無期判決 東京高裁

2009年9月10日 10時20分 更新:9月10日 13時8分

 東京都江東区のマンションで08年4月、2部屋隣に住む会社員、東城瑠理香(るりか)さん(当時23歳)を殺害し、遺体をバラバラにしてトイレに流したとして殺人や死体損壊罪などに問われた元派遣社員、星島貴徳被告(34)の控訴審判決で、東京高裁は10日、無期懲役とした東京地裁判決(2月)を支持し検察側の控訴を棄却した。1審同様量刑が争点となり、山崎学裁判長は殺害の計画性を否定し「謝罪の態度を示し立ち直る可能性がある」として死刑を回避した。

 死刑を求めて検察側が控訴し、弁護側は控訴棄却を求めていた。

 山崎裁判長は「殺害は身勝手極まりない。死体損壊は人間の尊厳を無視する他に類を見ないおぞましい犯行。突然命を絶たれ、ごみ同然に扱われ、さぞかし無念だったと推察される」と述べた。

 しかし「『東城さんを拉致した時点で殺害に着手せざるを得ない状況だった』という検察側の主張は早計」と殺害の計画性を否定し(1)前科前歴がない(2)自白し罪を悔いている(3)立ち直る可能性がある--などと1審同様の判断を示した。

 2審で判断を変更した点もあった。わいせつ目的で拉致したものの、わいせつ行為には及ばなかった点を1審は有利な情状として挙げたが「有利には考慮できない」とした。さらに「殺害行為は無慈悲で残虐。1審が『極めて残虐とまでは言えない』としたのは相当ではない」と述べた。しかし、83年に最高裁が示した死刑適用基準(永山基準)や被害者が1人でも死刑となった過去の事案との違いを指摘し「極刑がやむを得ないとまでは言えない」と結論づけた。

 2審は出廷する義務がないため星島被告は不在だった。

 判決によると、星島被告は08年4月18日、東城さん方に侵入し帰宅直後の東城さんに包丁を突きつけて自室に連れ込み(住居侵入罪、わいせつ略取罪)、東城さんの首を包丁で突き刺し失血死させた(殺人罪)。さらに遺体を切断して捨てた(死体損壊・遺棄罪)。【安高晋】

 ▽東京高検の渡辺恵一次席検事の話 判決内容を十分検討し今後の対応を決めたい。

 ▽星島被告の弁護士の話 裁判所の判断を尊重する。(被告不在については)ノーコメント。

文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

 

おすすめ情報

注目ブランド