●ハルマゲドンに集まったというプロセスは終了した


○弁明者(芳永克彦) 先ほど引用した『亡国日本の悲しみ』にも登場するんですが、ハルマゲドンということに関する予言がございますね。

○弁明者(麻原彰晃) はい。

○弁明者(芳永克彦) このハルマゲドンというのは、もともとは『ヨハネの黙示録』の中にあって、全世界の王たちをへブル語でハルマゲドンというところに招集したということを指すようですが……。

○弁明者(麻原彰晃) これにつきましては……。

○弁明者(芳永克彦) あなたの方では、そのハルマゲドンについてどのような認識を持っておるわけですか。

○弁明者(麻原彰晃) 既に1995年11月の初旬だったと思われますが、ラビン首相の暗殺によって世界の首脳がイスラエルに集まりました。これをもってハルマゲドンに集まったというプロセスは終了したものと考えております。

○弁明者(芳永克彦) 公安調査庁は、このハルマゲドンについても、これは信徒さんによって実現されるべきものとして、信徒さんたちに示された予言なのだと言っているんですが、いかがでしょうか。

○弁明者(麻原彰晃) いや、もちろんそれは違います。全く根も葉もないことでございます。

○弁明者(芳永克彦) それから、あなたの説法の中には、このハルマゲドンが起きる時期が1997年であるというふうに述べた部分があるようなんですけれども、この時期はあなたは今、1995年に起きたと言っておられるんですが、それでよろしいわけですか。

○弁明者(麻原彰晃) はい。いろんな説法を読んでいただいたらわかりますとおり、これはいろんな社会的な情報の分析等によって、時期は絶えず移動しております。この部分につきましては、完全に預かる預言、つまり、現象の分析が不可欠となっておりますので、当然97年ではなく95年の11月にもう既にこの部分は終了していると考えております。

○弁明者(芳永克彦) 公安調査庁の方は、あなたの1993年3月20日、横浜支部での説法の中に出てくる部分を取り出して、あなたが1997年に間違いなくハルマゲドンが起きると言ったと言っているんですが、私の方でその該当部分を拝見すると、「私の研究はいよいよノストラダムスについても最後を迎えてきている。それによると、97年ハルマゲドンである。これはまだ私自身がその詩を検討しているわけではないから、不確定な要素が含まれているということを土台として聞いてほしい。今、ノストラダムスについては、ヴィマラ君を中心とし、そしてそれを私がチェックして、もう一度詩の原義と、それから瞑想とにあわせて修正するというパターンをとっている。したがって、この訳は」、この訳というのは1997年という訳ですね。これは「私が干渉していない段階での訳、その訳によると、97年、間違いなくハルマゲドンが起きるであろう。これは単純な理論で、詩の97番にそれがあるからだってことだね」ということになっているんですね。

○弁明者(麻原彰晃) はい。

○弁明者(芳永克彦) つまり、ここであなたは、97年というのは間違いないと言っているんじゃなくて、不確定な要素である。あるいは私が干渉していない段階での訳ではそうなっているんだということで、いわば公安調査庁の論法とは逆に、97年と断定していないのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○弁明者(麻原彰晃) いや、まさにその説法どおりでございます。つまり、私はこの詩には関与していない状態での発言であることをまず明示しておりますし、それから、それが不確定であることについても明示しております。

○弁明者(芳永克彦) それから、この説法は引き続いて、「例えば私の予言が外れ、97年、あるいは2006年にハルマゲドンが起きなかったとして、その起きようが起きまいが私たちは死ぬんだという前提がある。つまり、死刑執行が10年間、20年間、あるいは30年間延びたにすぎない。この状況を考えるならば、死という命題に対して私たちが徹底的に検討し、そしてその準備を行い、そしてこのけがれた肉体を捨て、高い神々の世界に至る、この法則の実践は決して不利益にならないということを言いたいのである」とか「私たちが肯定しようと否定しようと死ぬ。ハルマゲドンが起きようと起きまいと死ぬ。この命題は変わらない。したがって、この命題を真剣に受け止め、そして真剣に実践する魂こそ本当の智慧者であり、そして本当の賢者であると私は言いたい」というようなことをあなたが言っておられるわけですが、この説法は、つまり、どういうことを言おうとしていた説法ということになるんでしょうか。

○弁明者(麻原彰晃) この説法は、私たちはハルマゲドンに出会うかもしれない。出会わないかもしれない。しかし、私たちが死ぬことは間違いない。なぜなら、私たちは肉体を持っているわけでして、しかもまだ――ですから、それは死刑執行と考えることができる。これはお釈迦様のよくお説きになられる法則でございます。したがって、私たちはその死に対してひたすら準備をする、それが必要なんだよという説法でございまして、ハルマゲドンを起こせとか、あるいは、全体を聞いていただいてわかるとおり、ハルマゲドンが起きるなどということはその中でも一言も言っておりません。

○弁明者(芳永克彦) ちょっとできるところまでやりたいと思うんですが、さらに公安調査庁の方では、ハルマゲドンに続いて、第3次世界大戦、あるいは最終戦争であるとか、都会を死滅させるというあなたの話を引用して、これについてもオウム真理教によって実行されるものであるかのように主張しておるんですが、あなたの説法の中に「第3次世界大戦のもともとのねらいというのは、都会を死滅させること、そしてある意味での無政府状態をつくること、そして地球の統一的な政権をつくること、この3段階に計画は分類されている」とあるんですが、ここで言う第3次世界大戦を起こすのはだれなのか。あるいは都会を死滅させるというのは、だれが死滅させると言っているのか。あるいはだれがそういう三つの段階の計画を持っているというのか。ここをちょっとはっきりさせておいていただけますか。

○弁明者(麻原彰晃) これにつきましては、弟子たち、弟子の中で特にA、あるいはTという弟子がいまして、その人たちが、フリーメーソンについての情報を私に相当入れていたわけです。そのA、あるいはTという弟子の内容からいきますと、これは、フリーメーソンの、しかも悪いフリーメーソンの計画であるという話をしておりまして、私もその当時そうかなと考えておりまして、その説法を弟子たちにいたしました。したがって、主語はフリーメーソンでございますし、また、それに関連する説法がほかのところであるのじゃないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○弁明者(芳永克彦) 例えば「ヴァジラヤーナコース教学システム教本」の353ページですが、1994年4月29日、名古屋支部での説法で、これは細川政権が倒れて羽田政権ができたという時期のことで、「もっと混迷というより、ぐちゃぐちゃな状態にこの日本はいよいよ突入する。これらはすべてフリーメーソンの計画どおり進められている。では、フリーメーソンはなぜこのぐちゃぐちゃの状態をつくろうとしているのかというと、彼らはもともと、人間ではこの地上、地球というものはコントロールできず、支配できず、そして、それゆえに聖書の予言、あるいはノストラダムスの予言、あるいはいろいろな聖者方の予言などを研究し、この世の中をぐちゃぐちゃにし、最終戦争に対しての準備を行っている。」こういうような部分がありますね。

○弁明者(麻原彰晃) はい。まさにそれは同じ意図の説法だと思います。

○弁明者(芳永克彦) そうすると、こういう第3次世界大戦とか、都会を死滅させる主語はオウム真理教ではないんだと。

○弁明者(麻原彰晃) もちろん、はっきりとそれは否定できます。

○弁明者(芳永克彦) では、そのような第3次世界大戦なり、都会を死滅させるという事態に対して、オウム真理教はどうすべきだ、あるいは信徒さんにどうしなさいということをあなたは言っておったわけですか。

○弁明者(麻原彰晃) これはラジオ放送、あるいは『日出づる国、災い近し』でも述ベていますとおり、転輪獅子吼経という経典を分析しますと、この世紀の、このカルパの中間にそういう事態が起きると。そのときには、山にこもり、岩に隠れて根っこを食ったり、要するに、食糧を備蓄していた者しか助からないんだと説いていらっしゃるわけです、お釈迦様は。それから、イエス・キリストも同じように、そういう事態が起きたときは、とにかく山に隠れなさいとお説きになっていらっしゃいます。これと同じことを私は、『日出づる国、災い近し』、あるいはラジオ放送、あるいは説法等で述べております。その部分を提示していただけるとありがたいと思います。

○弁明者(芳永克彦) はい。『日出づる国、災い近し』の179ページから180ページのところで、「要するに、この経典によると最終戦争が起きる。どういう人が助かるかというと、山に逃げた人が助かる。岩間の陰などに隠れた人が助かると書かれている。こういう理由があって、オウム真理教の道場が富士山周辺にあると考えたら非常にわかりやすい。皆さんが現世を捨て、そして出家し、そして富士山周辺で暮らすならば、それだけでも皆さんが生き残る確率というのはかなり高くなるのではないか」「皆さんはしっかりと準備をし、もう光ったら遅いわけだから」、これは第3次世界大戦が始まったらということですが、「出家できる人はできるだけ早く出家し、そして救済のお手伝いをし、そして自分の霊的な進化、つまり修行をしていく。そうすれば生き残るチャンスというものは高くなる。整理すれば、まず都会から離れた場所での空間の確保、それから、次にそこでの食糧、そして医療、そしてその空間に耐え得る精神力、これらを兼ね備えるならば生き残ることができるのではないか。」こういうようなことが書かれておりますが、そういうことですか。

○弁明者(麻原彰晃) はい、まさにそのとおりでございますし、そこに書かれておりますとおり、生き残れるとも私は言っていないわけです。生き残れる可能性が高いというわけでして、まだそこの部分については非常に、何と言うんでしょうか、完璧なビジョンを提示できなかった状態であったということが言えると思います。それほど教団とは関係のない世界の話で、しかも私たちがそれに巻き込まれる可能性は非常に高いと私は考えておりました。

○弁明者(芳永克彦) ちょうど時間になりましたので、午後にあとは続行したいと思います。

○主任受命職員(堀江信之) それでは、昼の休憩をとりたいと思います。午後は1時から再開いたします。



午後0時休憩

午後1時4分再開



[戻る][目次][次へ]